MicrosoftのDaaS「Azure Virtual Desktop」「Windows 365」のすごい点と注意点激動の仮想デスクトップ市場【第5回】

Microsoftは「Azure Virtual Desktop」(AVD)と「Windows 365」という2つのDaaSを提供している。これらのメリットや利用する上での注意点とは何か。活発化するDaaS市場の行方は。

2023年03月29日 08時15分 公開
[Gabe KnuthTechTarget]

 Microsoftは、2019年から2021年にかけて「Azure Virtual Desktop」(AVD)と「Windows 365 Cloud PC」(Windows 365)という2つのDaaS(Desktop as a Service:仮想デスクトップのクラウドサービス)を提供開始した。どのような特徴があるのか。

「AVD」と「Windows 365」は“これ”がすごいが“あれ”に注意

 AVDとWindows 365は、Microsoftのクラウドサービス「Microsoft Azure」(Azure)のサービスの一つだ。そのためAzureのユーザー企業は、仮想デスクトップを含めたコストやコンピューティングリソースの一元管理がしやすい。

 オフィススイート「Microsoft Office」をAVDやWindows 365で使うためには、ユーザー企業はクラウドオフィススイート「Microsoft 365」(Office 365)のライセンスを購入する必要がある。AVDやWindows 365の仮想デスクトップでは、ローカル端末にインストールしたMicrosoft Officeアプリケーションを直接実行することはできない。

 AVDはクライアントOS「Windows」をマルチユーザーで利用できる。ただしWindows 365では利用できないことに注意が必要だ。

CitrixやVMware、Microsoft以外のサービスも充実

 Microsoftはデスクトップ仮想化市場の主導権を握りつつある。この状況は他ベンダーにとって必ずしも悪いことではない。MicrosoftのパートナーであるCitrix SystemsやVMwareは、ユーザー企業に対してMicrosoftがまだ提供していないAVDやWindows 365の管理機能を提供している。

 Azureのユーザー企業も、そうではないユーザー企業も、さまざまなベンダーの仮想デスクトップサービスを選ぶことができる。例えばAmazon Web Services(AWS)はDaaSの「Amazon WorkSpaces」を中心に、仮想デスクトップサービスのラインアップ充実を図る。NutanixはDaaS「Nutanix Frame」の機能を拡充させている。

 市場には他にもWorkspotやCameyoの同名DaaSに加えて、さまざまな仮想デスクトップサービスやデスクトップ仮想化製品が存在する。デスクトップ仮想化市場は再編成が進んでいるため、さまざまな変化が生じると考えられる。

TechTarget発 先取りITトレンド

米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。

ITmedia マーケティング新着記事

news060.jpg

Z世代が考える「日本が最も力を入れて取り組むべき課題」1位は「ジェンダー平等」――SHIBUYA109 lab.調査
SDGsで挙げられている17の目標のうち、Z世代が考える「日本が最も力を入れて取り組むべき...

news061.png

高齢男性はレジ待ちが苦手、女性は待たないためにアプリを活用――アイリッジ調査
実店舗を持つ企業が「アプリでどのようなユーザー体験を提供すべきか」を考えるヒントが...

news193.jpg

IASがブランドセーフティーの計測を拡張 誤報に関するレポートを追加
IASは、ブランドセーフティーと適合性の計測ソリューションを拡張し、誤報とともに広告が...