南太平洋の島国であるクック諸島にある一部の小学校は、通信衛星を介したネットワークを利用していた。しかし、通信衛星ではオンライン教育に十分な性能のネットワークを提供できなかった。
南太平洋に位置する15島からなるクック諸島には、約30校の小学校がある。小学校の一部は従来、通信衛星を介したインターネット回線を利用していた。しかし通信衛星によるインターネット接続は、時間帯によっては速度が不十分になり、安定性に欠けていたため、オンライン授業には活用しにくかった。
クック諸島教育省(以下、MoE)は通信衛星による回線から、海底ケーブルを利用した固定回線へ切り替えることを決断した。クック諸島の小学校で固定回線への移行を決断した背景について、「教育コンテンツや成績評価システムのオンライン化が進んでいる」とMoE 責任者のダニエル・タンガン・コクラン氏は述べる。
「ネットワークの改善により、小学校だけでなく高等教育機関や、職業訓練機関でもオンライン教育を提供できるようになる」とコクラン氏は期待する。
衛星通信から海底ケーブルによる固定回線への切り替えプロジェクトは、MoEが主導した。プロジェクトには通信事業者としてAvaroa CableとBW Digital、Vodafone Cook Islandsの3社と、ネットワーク機器ベンダーのCienaが参加し、支援した。固定回線はまずラロトンガ島とアイツタキ島から導入し、2026年までにクック諸島内の全小学校で導入が完了する見込みだ。
「南太平洋のデジタル格差が解消され、クック諸島の学生が成熟したデジタル環境で学び、成長できるようになる」と、BW Digitalの最高経営責任者(CEO)ルドヴィック・ヒューティエ氏は述べる。
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