PCが正常に動作していてもネットワークにつながらないことがある。例えばIPアドレスの割り当てがうまくいっていない場合だ。Windows 11におけるネットワークトラブルの対処法を紹介する。
IT管理者からすると、PCがネットワークにつながらないというトラブルは日常的に発生する。クライアントOSとしてMicrosoftの「Windows 11」を搭載するPCでネットワークのトラブルを解決するための4つの対処法のうち、3つ目と4つ目の対処法を解説する。
Windows 11のPCに、IPアドレスが適切に割り当てられていない場合がある。まず考えられるのは、ネットワーク内のデバイスに自動でIPアドレスを割り当てるための仕組みである「DHCP」(Dynamic Host Configuration Protocol)の問題だ。
DHCPの仕組みに問題が生じているかどうかを判断するには、Windows 11のコマンド実行ツール「コマンドプロンプト」で「ipconfig」コマンドを実行してIPアドレスが169.254.1.0から169.254.254.255の範囲内の値になっているかどうかを確認しよう。
これはDHCPでIPアドレスを取得できなかったデバイスに対して、IPアドレスを設定する「APIPA」(Automatic Private IP Addressing)という仕組みで割り当て可能な範囲の値だ。APIPAの範囲でIPアドレスが割り当てられているということは、PCがローカルIPアドレスを割り当てて急場をしのいでいるということだ。
この場合はIPアドレスのリセットを試すとよいだろう。コマンドプロンプトで「ipconfig /release」コマンドでIPアドレスを解放してから、「ipconfig /renew」コマンドを入力することで、IPアドレスを再取得できる。
IPアドレスを再取得しても問題が解決しない場合は、ネットワークアダプターのリセットを試してみよう。それでも正しいIPアドレスを取得できない場合、ルーターかインターネットサービスプロバイダー(ISP)のゲートウェイ機器に問題がある可能性がある。ルーターの説明書を読んで設定を確認したり、ISPに問い合わせたりしてみよう。
PCには全く問題がないこともある。この状態にあることを裏付けるには、ローカルネットワークにはアクセスできるが、インターネットにはアクセスできない状態にあることを確かめる必要がある。
インターネット側に問題がある場合、タスクバーのネットワーク通知の部分に、地球のアイコンが表示されているはずだ。さらにPCを再起動してもインターネット接続が回復しない場合、問題が起きているのはPCではない。
次はルーターの再起動を試してみよう。これもうまくいかなければ、ISPに連絡して障害やサービス停止が発生していないかどうかを確かめる必要がある。ISP側に問題がなければ、技術サポートチームが接続のトラブルシューティングに協力してくれるだろう。逆にISP側にトラブルが起きている場合は、復旧の見通しを教えてもらえるはずだ。
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