演算機能とストレージが一体化した「コンピュテーショナルストレージ」は優れた演算処理能力を持ち、大量のデータを扱う用途において効力を発揮する。実際の製品や活躍する場面とは。
演算機能をストレージに組み合わせた「コンピュテーショナルストレージ」は、従来のストレージシステムよりも高速な演算処理が期待できる。コンピュテーショナルストレージはどのような用途で特に役立つのか。その仕組みを踏まえて解説する。
集中的にデータを処理する必要がある特定のタスクには、コンピュテーショナルストレージのオンボードプロセッサが理想的だ。リアルタイム分析、機械学習、コンテンツ配信ネットワーク向けの動画圧縮などのタスクに向いている。
ただし単一のコンピュテーショナルストレージデバイスを利用する場合は、演算処理のパフォーマンスの向上が特定の領域に限定され、コスト効率も悪くなる可能性がある。そのため、パフォーマンスの万能の解決策にはなりづらい。コンピュテーショナルストレージの処理能力が限られていることを考えると、複雑なシミュレーションのモデリングなど、コンピューティング処理が集中するタスクには、専用プロセッサの方が優れたパフォーマンスを発揮する。
データを集中的に使用するタスクはコンピュテーショナルストレージデバイスが実行するため、システムプロセッサは、ワークロードの中で集中的にコンピューティング処理に専念できる。そのためコンピュテーショナルストレージデバイスを搭載するシステムは、従来型アーキテクチャよりも一般的にCPUを集中的に利用する可能性が低くなる。この方法でシステムを管理すれば、全体的なパフォーマンスが向上し、タスクを高速かつ効率的に実行可能だ。これにより、処理時間を重視するアプリケーションを運用しやすくなる。
コンピュテーショナルストレージデバイスは既に市場に流通している。コンピュテーショナルストレージを導入済みの企業にはTesla、Google、Meta Platforms、Yahooなどがある。Amazon Web Services(AWS)やAlibaba.comなどのコンピューティングリソースを提供するベンダーも、一部の大規模データセンターにコンピュテーショナルストレージを運用中だ。
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