AI生成コンテンツを見分けられるか?【第3回】
AIチェッカーに「自筆」と「AIポエム」を判別させたら面白い結果に
そのコンテンツが人間によって書かれたものなのか、AIモデルによって生成されたものかを見分ける際に役立つ「AIコンテンツ検出ツール」。その精度はどれほどなのか。筆者が実際に使用し、性能をレビューする。
テキストや画像などを自動生成するAI(人工知能)技術「生成AI」(ジェネレーティブAI)。その利便性やメリットから、ビジネスにおける活用が急速に広がりつつある。一方で、AIが生成するコンテンツには不正確な情報が含まれている可能性があり、リスク管理が欠かせない。
このような背景から需要が強まっているのが、コンテンツを生成したのがAIモデルなのか、そうではないのかを判断する「AIコンテンツ検出ツール」だ。本稿は、6つの主要なAIコンテンツ検出ツールを使用し、その性能を調査した結果を紹介する。
AIコンテンツ検出ツールの大半はまだベータ版の段階にあり、生成AI同様に急速な進化を遂げている最中だ。今回紹介する試験結果は、それを前提にしてAIコンテンツ検出ツールの信頼性や妥当性についての洞察を提供するものだということを念頭に置いてほしい。
「AIコンテンツ検出ツール」をテスト その精度とは?
併せて読みたいお薦め記事
連載:AI生成コンテンツを見分けられるか?
生成AIの「うそ」に関する記事
調査では、同程度の長さの異なるテキストコンテンツを3つ用意した。1つ目は、人間(筆者自身)が書いた、最高データ責任者(CDO)の役割の変化についての記事を抜粋したもの。残り2つのコンテンツは、「生成AIの長所と短所について説明せよ」というリクエストに応じてChatGPTが生成したエッセイとポエムだ。どちらも大ヒット映画「ターミネーター」シリーズのサイボーグ主人公、ターミネーターの口調で書かれている。
サイボーグ風に生成AIを説明したテキストなど、すぐにAIコンテンツ検出ツールに見抜かれると思うだろう。しかし結果は予想を裏切るものだった。AIコンテンツ検出ツールは、1つ目のCDOに関する記事は人間が作成したもので、ChatGPTが生成したエッセイはAIモデル製だということを識別した。しかし、ChatGPTが生成したターミネーター調のポエムについては、ほぼ全てのAIコンテンツ検出ツールがAIモデル製だとは見抜けなかった。
AI Content Detector
「AI Content Detector」は、AIベンダーWriterが提供する無料のAIコンテンツ検出ツールだ。「検出精度は100%正確とは言えないが、コンテンツがAIモデルによって生成された可能性を示唆するのに役立つ」と同社は説明する。
AI Content Detectorの使用時は、1500文字(約300単語)までのチェックが可能だ。長文コンテンツの場合は検出精度を高めるために、一度に1つか2つのパラグラフを入力することが推奨されている。指定のスペースにテキストかコンテンツのURLを貼り付けて「Analyze text」ボタンを押すと、人間が作成したコンテンツである可能性をパーセンテージで表示する。
1つ目の著者が作成したCDOに関する記事は、人間が作成した確率は100%との評価を獲得した。一方、ChatGPTが生成したターミネーター調のエッセイは、人間が作成した可能性は10%と表示され、「検出可能なAIコンテンツが少なくなるまで、テキストを編集する必要がある」と警告が表示された。ここまでは期待通りだった。しかし、3つ目のChatGPTが作成したターミネーター調のポエムは、人間が作成した確率は91%の評価を獲得した。
AI Detector
「AI Detector」は、AIベンダーContent at Scaleが提供する無料のAIコンテンツ検出ツールだ。複数の大規模言語モデル(LLM)にまたがる何十億もの個別ページのデータと単語で訓練されており、コンテンツがAIモデルによって生成されたものなのか、人間によって書かれたものなのかを判断する。25単語以上の文章を所定のスペースに入力すれば、即座に人間が作成した可能性を「Human Probability」としてパーセンテージ表示する。
同ツールに上述の3つのコンテンツを渡したところ、3つ目のChatGPTが生成したターミネーター調のエッセイは89%の「Highly likely to be human!」を獲得した。これは1つ目の筆者が作成したCDOに関する記事の抜粋と同じスコアだった。
第4回は、引き続きAIコンテンツ検出ツールのレビューを紹介する。
TechTarget発 世界のインサイト&ベストプラクティス
米国TechTargetの豊富な記事の中から、さまざまな業種や職種に関する動向やビジネスノウハウなどを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 世界のインサイト&ベストプラクティス
米国TechTargetの豊富な記事の中から、さまざまな業種や職種に関する動向やビジネスノウハウなどを厳選してお届けします。
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[LRM株式会社] 「標的型攻撃メール」事例・サンプル集 -
製品資料
[LRM株式会社] セキュリティ教育はなぜ「年間計画」を立てる必要があるのか? -
製品資料
[LRM株式会社] セキュリティの重要性が伝わらない…… 効果がない社員教育から脱却する方法 -
製品資料
[LRM株式会社] 「標的型攻撃メール訓練」導入ガイド 社員の意識を確実に高める仕組みの作り方 -
事例
[株式会社マクニカ] アイカ工業に学ぶ脆弱性対策 情シスが把握できずにいたアセットも正確に把握
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「VMware離れ」は本当か 3000社がVCF 9にかじを切った現実的な理由
-
2
「Microsoft 365」が乗っ取られる 跡形もなくMFAを破る手口
-
3
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
4
Oracle巨大ITプロジェクトはなぜつまずいたのか 8年で導入1割、追加で170億ドル
-
5
AI全部入り「Microsoft 365 E7」に企業が二の足を踏む訳 移行意向はわずか4%
-
6
Microsoft製品でここまで自動化できる 情シスがやめられる手作業10選
-
7
なぜOpenAIやAnthropicのAIは「脱走」したのか 情シスが迫られるエージェント統制
-
8
Netflixのバックエンドは「ほぼJava」 3000超のアプリを支える開発基盤の裏側
-
9
「技術屋」で終わらないために 情シスが今取るべき認定資格5選
-
10
「Windows派」「Linux派」を分ける決定的な違い
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
AIエージェントで多様な日常業務を効率化するための入門ガイド
-
2
AIが「わざわざ使うツール」になっていない? 業務で自然に使う導線にする秘訣
-
3
5回聞くだけじゃ足りない? トヨタ式「なぜなぜ分析」の正しい実践方法
-
4
JR西日本ITソリューションズが「監視業務の属人化」を解消した方法とは?
-
5
「脱Excel」か「Excel快適化」か? 現場にやさしい業務改善の進め方
-
6
インシデント対応工数を約3割削減、東京ガスの事例に学ぶ監視体制刷新のコツ
-
7
PostgreSQLの「機能」「性能」「運用」「拡張性」に関する悩みの解消法
-
8
5分で分かる「セキュア大容量ファイル転送サービス」の機能とメリット
-
9
Macの安全神話は崩壊? 最新の脅威動向から見えた攻撃のトレンドと有効な対策
-
10
情報セキュリティ対策早分かりガイド:25の自社診断で弱点と解決策を理解
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー