AI技術は今後、ネットワークにとって不可欠な技術になる。無線LANもその恩恵を受ける分野だ。AI技術は無線LANをどのように進化させるのか。
2023年はテキストや画像などを自動生成するAI(人工知能)技術「生成AI」(ジェネレーティブAI)の普及により、AI技術がさまざまな分野に浸透した。ただし生成AIが盛り上がっているからといって、従来のAI技術が存在感を失ったわけではない。
2024年にAI技術が重要な役割を果たすと専門家が予測している分野の一つに、無線LANがある。無線LANはAI技術を活用することで、どのように進化するのか。
「すでに一部の企業はAI技術を用いて無線LANを運用しており、2024年にはこうした動きが世界各国の企業の間で主流になるだろう」。無線LAN関連のソフトウェアベンダーWyebotのCEO兼共同設立者であるロジャー・サンズ氏はそう語る。
クラウドサービスの利用が広がることに加えて、テレワークの取り組みが一般的になるにつれ、ネットワークは複雑化している。「企業はこの複雑さを管理する新しい方法を必要としている」とサンズ氏は述べる。同氏が着目するのは、AI技術は無線LANの稼働状況を監視し、データを分析して問題が発生する前に修正できることだ。
AI技術を活用することでデータを分析し、その分析結果を使ってネットワークのパフォーマンスの予測を立てることができる。この運用方法により、「IT部門は問題が発生してから対処するのではなく、問題が発生する前に対処できるようになる」とサンズ氏は言う。
例えば無線LANの運用にAI技術を導入すると、ネットワークのパフォーマンスに影響する潜在的な問題点を洗い出したり、ネットワークの利用に支障を来すような問題を発生前に検出したりできる。「分析に使うデータが多ければ多いほど、アルゴリズムを改善して、ネットワークの挙動をより高い精度で予測しやすくなる」とサンズ氏は語る。
無線LAN運用にAI技術を導入することによる利点には、以下のようなものがある。
次回は、無線LANでAI技術をうまく活用するために必要な要素を考察する。
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