多様に進化するSNSは、消費者の生活の一部となり、企業にとっても無視できない存在だ。SNSの移り変わりをまとめつつ、SNSの活用を成功させるには今後は何が必要になるのかを考察する。
SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)の中には、登場時こそ大きなブームを引き起こしたものの、次第に減速してユーザーの獲得に苦戦しているものもある。
ユーザー同士が音声でコミュニケーションできるSNS「Clubhouse」は、ポッドキャストや音声コンテンツに関する市場が拡大する中で、他サービスとの差別化を図れなかった。その結果2023年4月、同社は従業員を50%以上削減すると発表した。若年層に人気を博したショート動画共有SNS「Vine」は、2017年にサービスを終了した。
SNSの役割や主要サービスの栄枯盛衰を振り返る本連載の第4回は、SNSを使うメリットとデメリットを整理するとともに、SNSの役割がどのように変わるのか、その展望を考察する。
1990年代以降に開設した初期のSNSは、個人がインターネット空間で友人や知人とつながるためのものだった。時間が経過する中で、SNSはビジネスツールとしての役割を持つようになった。例えば企業がブランドマーケティングを展開したり、ユーザーデータを収集したりする場としての役割だ。SNSのユーザー数が増加するにつれて、小規模なコミュニティーも形成されるようになった。膨大なユーザー数を持つSNSは、新聞やテレビといった伝統的なメディアを介さずにメッセージを発信するための場にもなりつつある。
SNSのメリットとデメリットをまとめると、以下の通りだ。
SNSの展望を見極める手掛かりの一つは、ASEAN(東南アジア諸国連合)市場にあると考えられる。インフルエンサー(影響力のあるエンドユーザー)を使ったマーケティング活動が盛んで、インフルエンサーがライブ配信をしながら商品を販売する「ライブコマース」が企業のブランド普及に活用されているという。
テキストや画像を自動生成するAI技術「生成AI」(ジェネレーティブAI)をSNSに展開する動きもある。例えばユーザーが生成AIを使って対話したり、SNSのアルゴリズムがユーザーの興味や関心のある物事に関する情報を収集したりする。この結果、ユーザーエクスペリエンスはよりパーソナライズされ、ユーザーが自分の興味に合ったコンテンツを簡単に見つけられるようになる。
ソーシャルニュースサイト「Reddit」やボイスチャットサービス「Discord」のようなシンプルなSNSを好むユーザーにとっては、企業のSNS活用に対して反発する向きがある。ただし顧客エンゲージメントの強化やブランド認知度の向上を目的に、企業のSNS活用はこれからも続くと考えられる。
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