SSDにAI機能を搭載する動きが、複数のベンダーで進みつつある。AI搭載SSDにはデータ読み書き処理を効率化するなどのメリットが見込める半面、導入や選定時の注意点もある。
さまざまなベンダーが、SSDにAI(人工知能)機能を搭載する製品開発を進めている。こうしたAI機能は、SSDの記録媒体である「NAND型フラッシュメモリ」の管理方法を改善してデータ読み書き処理を効率化したり、セキュリティ対策を強化したりすることに役立つ。ただし製品選定や導入の際には、幾つか注意すべき点がある。
SSDに組み込まれたAI機能の内部構造は、SSDのユーザーからは確認できない。その代わりにSSDのAI機能は、ユーザーが構築作業や導入作業をしなくても動作する。
テスト済みのAI機能がSSDに既にインストールされていることで、労力をかけずに使用できることがメリットだが、注意点もある。SSDのAI機能はさまざまなユーザー企業の利用を想定した一般的な用途を対象としているため、それが特定のユーザー企業の用途に適合するとは限らない。
ベンダーロックインにも注意が必要だ。SSDのAI機能はSSDベンダーが独自に開発している。そのためいったんSSDを導入してAI機能を利用するようになると、SSDの買い替え時に他ベンダーのSSDを検討しづらくなる可能性がある。ユーザー企業がその状況を受け入れるのであれば、AI搭載SSDを避ける理由にはならない。
SSDベンダーはさまざまな形でAI技術の導入を試みている。AI技術を通して、SSDのデータ読み書きのパフォーマンスを向上させたり、セキュリティ機能を組み込んだりしようとしている。数年後には、もはやSSDにAI技術が搭載されていることが当たり前の状態となっている可能性がある。
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