「ホワイトボックススイッチネットワーク」は、特定ベンダーの製品に依存しないノーブランドのネットワーク機器だ。これを使うメリットや、ネットワーク構成の刷新方法とは。
特定ベンダーの製品に依存しないノーブランドのネットワーク機器を使ったネットワークを「ホワイトボックスネットワーク」と呼ぶ。ホワイトボックスネットワークを構築するためのハードウェアの一例が「ホワイトボックススイッチ」(ノーブランドのネットワークスイッチ)だ。
ホワイトボックススイッチを使ってネットワークを構築すると、どのようなメリットがあるのか。そのメリットを享受するには、どのような手順を踏めばよいのか。
企業がホワイトボックススイッチを導入する主要な理由は、コストとベンダー非依存性の2点だ。
コスト面では、ホワイトボックススイッチは従来のベンダー主導のネットワークスイッチよりもコスト節約につながる可能性がある。調査会社Nemertes Researchの試算では、大手ブランドのネットワークスイッチの割引価格よりも割安になる場合があるという。
ベンダー非依存性という観点では、大手ネットワーク機器ベンダーのライセンス、メンテナンス、サポートのアプローチに縛られなくなることがメリットだ。ネットワーク機器に対して高度なニーズを持つ企業は、特定ベンダーの製品のラインアップや提供時期に制約を受けることがある。基本的なニーズしかない企業は、導入する製品に不要な機能があることを重荷に感じる場合がある。使わない機能はソフトウェアを肥大化させ、バグの数と修正の頻度を増やしかねない。脆弱(ぜいじゃく)性の拡大や、設定ミスの増加にもつながる恐れがある。
ホワイトボックススイッチが搭載するNOSは、概して不要な機能を省いたシンプルな構成だ。豊富なNOSの中から自社に最適なNOSを選択できるため、ベンダーの依存性を軽減できるとともに、費用対効果に優れたNOSを導入することにつながる。
プロプライエタリ(ソースコード非公開)なネットワークスイッチから、ホワイトボックススイッチへの置き換えを検討している企業は、以下のステップに沿って計画を策定しよう。各ステップでテストを実施し、担当者間で適切なコミュニケーションを取ることも重要になる。
ホワイトボックススイッチは、既存のネットワークスイッチと交換可能だ。ただし設定や管理方法が異なるため、新しいネットワーク構成を計画する必要がある。
本番環境と同じ条件でホワイトボックススイッチをテストすることも欠かせない。テスト環境で既存または新規の監視ツールが、新しいネットワーク機器を適切に監視できるかどうかを確認する必要がある。新しいネットワークスイッチに合わせて、監視ツールの設定と監視手順を修正することで、運用チーム向けの手順書を作成しやすくなる。
ホワイトボックススイッチの導入時は、交換時期を迎えた機器を段階的に交換するとよい。交換フェーズでは、1つのラックにある機器を一度に交換するか、機能ごとにまとめられた複数のラックを同時に交換するのが賢明だ。この方法によって、ネットワークが一時的に使えなくなるリスクを軽減できる。
使用期限が切れそうなネットワーク機器と、まだ数年使用可能な機器の両方を同時に刷新することも可能だ。この交換方法では、ラック全体やデータセンターの特定のセグメント全体を新しいネットワークシステムに移行できる。まだ使用可能な寿命が残っているスイッチを、現状のスイッチがそろそろ時代遅れになりそうなラックやセグメントに移動させることもできる。
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