プライベート5Gなどの自営無線網を導入することで、企業は想定以上にメリットを得られている現状が、Nokiaによる調査で明らかになった。その実態とは
通信機器ベンダーNokiaはオーストラリア、フランス、日本、英国、米国などの企業100社を対象に「プライベート無線ネットワーク」(自営無線網)を導入した企業の実態を調査した。この調査によれば、企業は「5G」(第5世代移動通信システム)を自営網として運用する「プライベート5G」などの自営無線網を導入することで、導入前の想定以上にさまざまなメリットを得ていることが明らかになった。
Nokiaは調査会社GlobalDataに委託して自営無線網を導入した100社の現状を調査し、レポート「Nokia 2024 Industrial Digitalization」を公開した。自営無線網を導入した製造や運輸、エネルギー業界の対象の企業が調査対象になった。
レポートによれば2022年の段階では、自営無線網を利用している企業は基本的にPoC(概念実証)や試験の段階にあり、自営無線網の導入場所や用途は限られていた。2024年の段階では、調査に応じた企業の45%が自営無線網を実際に業務に活用しており、当初の想定にはなかった利用方法を計画するなど、自営無線網の用途と導入場所が拡大していることが明らかになった。
調査対象の企業の全てが、自営無線網を導入後に「導入場所を追加する」「導入済みの場所で用途を拡大する」のいずれかを計画していることも分かった。
93%の回答者が自営無線網を導入してから1年以内に投資利益率(ROI)の目標を達成し、78%の回答者が半年以内に良好な結果を得られたと回答した。23%の回答者は、1カ月でROIの目標を達成したという。「これらのデータは自営無線網がコスト削減に貢献し、企業に利益をもたらすことを示唆するものだ」とNokiaは強調している。
持続可能性(サステナビリティ)への取り組みについても、自営無線網の導入は有効である可能性がある。回答者の79%が、「自営無線網の導入後にサステナビリティへの取り組みが改善した」と答えている。
例えば調査対象の企業は、自営無線網を活用することで以下ができるようになった。
「自営無線技術は業務のプロセスや組織の変革を促すと同時に、世界各国のサステナビリティの目標達成に向けた追跡と分析を可能にする存在であることが確認できた」とNokiaは評価する。
次回は、自営無線網とエッジ(ネットワークの末端)の活用によってどのようなメリットが得られるのかを解説する。
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