2011年10、11月に実施した会員調査によって、企業ネットワークにおける無線環境やモバイル端末の導入状況、運用担当者が抱えている課題などが明らかになった。
IPv4アドレスが枯渇した2011年は、企業ネットワークを取り巻く状況が大きく変化した年だといえる(関連記事:IPv6への移行は、なぜ厄介なのか)。3月に発生した東日本大震災は、ネットワークの災害対策の課題を浮き彫りにした。また、無線ネットワークやスマートデバイスなどの業務活用が進んだことで、その運用管理やセキュリティへの懸念も生じている(関連記事:iPhoneやAndroidの業務活用を支えるMDMとは?)。
TechTargetジャパンでは2011年10月24日から11月7日にかけて、会員を対象に「企業ネットワークの運用・管理」に関するアンケート調査を実施した。結果から見えてきたのは、ネットワーク構成の多様化とその運用管理に関する課題だ。本稿では、企業ネットワークの現状、運用担当者が抱えている課題などの調査結果を紹介する(全ての結果を記載したリポートは文末のリンクから会員限定でダウンロード可能)。
目的:TechTargetジャパン会員のネットワーク環境について調査するため
方法:Webによるアンケート
調査対象:TechTargetジャパン会員
調査期間:2011年10月24日〜11月7日
有効回答数:247件
※回答の比率(%)は小数点第2位を四捨五入し、小数点第1位まで表示しているため、比率の合計が100.0%にならない場合があります。
ネットワーク環境の拠点数は「2〜4拠点」(29.1%)が最も多く、「10〜49拠点」(21.1%)、「本社などの1拠点」(16.9%)と続いた。
また、クライアント端末数は「1001台以上」(33.3%)、「101〜500台」(31.9%)という回答が多かった。
無線ネットワークの利用については、回答者の60.7%が「運用している」。
無線ネットワークの用途としては、8割以上が無線LAN環境(83.3%)だった。また、ノートPCやスマートフォンなどのモバイル端末でも利用も半数近く(46.0%)となっている(関連記事:最大速度は7Gbps──ギガビット無線LAN 802.11acと802.11adの基礎)。
現在、ネットワーク環境で利用している製品やサービス、機能としては「VLAN」の導入が全体の53.6%と最も多く、「回線の冗長化(バックアップ回線)」(48.2%)、「通信内容の暗号化」(37.3%)と続いた。
直近1年の間でネットワーク障害が発生した回答者は60.9%。その原因は「ハードウェアの不具合」(57.7%)と最も多く、「LANケーブルの接続ミスなど、ハードウェアに関する人的なミス」(26.9%)、「利用するWAN接続サービスの障害」(25.4%)と続く。その他、東日本大震災の影響による機器の転倒や広域停電などを挙げる回答者もいた(関連記事:BCP機能せず、そのとき企業に何が起きたのか)。
ネットワークを構築・運用する上での課題としては、「機器の増加に伴うネットワーク構成の複雑化」「事業継続計画および災害復旧体制が不十分」が36.1%と最も多く、「IPアドレス管理の手間」(31.2%)、「バックアップ体制が不十分」(30.2%)と続いた(関連記事:震災後、企業のBCP(事業継続計画)はどう変わった?)。
また、無線ネットワークを利用する上での課題として「情報漏えいや不正アクセスなどのセキュリティ対策が不安」(52.1%)が最も多かった(関連記事:ワイヤレスをめぐる5つの神話に惑わされてはいけない)。
今後導入を検討・予定している、または関心があるものについては「クラウドサービス」(68.6%)が最も多かった。
より詳細なアンケート結果は、以下からダウンロードできる(TechTargetジャパン会員限定)。本稿では紹介しきれなかった、ネットワーク仮想化への関心やネットワーク機器の更新頻度、経験した失敗やその解決策などを紹介している。ぜひ参照されたい。
【主なリポート内容】
調査概要、回答者属性、ネットワーク拠点数、クライアント端末数、利用している製品やサービス、機能、ネットワークの構築・運用をする上での課題、直近1年の間でネットワーク障害の発生、ネットワーク障害の原因、自身が経験した失敗やその解決策、ネットワーク機器の更新頻度、拠点間接続(WAN)で利用している手法・サービス、無線ネットワークの運用状況、無線ネットワークの用途、無線ネットワークを利用する上での課題、ネットワーク仮想化への関心、特に関心があるネットワーク仮想化の手法、今後導入を検討・予定している(または関心がある)項目、ネットワークの構築・運用に関する意見、など(計42ページ)
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