2012年02月10日 09時00分 公開
特集/連載

2012年はWindows 7移行が加速──クラウド時代の幕開けは?米TechTarget 2012年IT投資調査

米TechTargetが世界各地を対象に行った読者調査により、2012年の企業投資動向が明らかになった。Windows 7への移行が進む一方で、クラウドについても興味深い結果が見られた。

[Mark Schlack,TechTarget]

 CIOは2012年、予算が圧迫され、景気の先行きも見えない中で、ビジネス要件を踏まえて資金を最適に分配するという難題に取り組まなくてはならない。米TechTargetは2011年11月に、世界各地のIT担当者とビジネスアナリスト2642人を対象に、2012年のIT投資動向を調査した。この調査では、66種類のITプロジェクトを提示し、各社で投資対象とするプロジェクトを選んでもらった。

 結果は、インフラストラクチャビジネスからITは脱却しつつあると考えている読者にとっては驚く内容かもしれないが、米TechTargetがここ数年追跡してきたITの優先事項に合致する結果になった。以下に、回答企業の50%以上が投資を予定しているプロジェクトを、導入予定が最も多い順に示す(かっこ内は2011年の順位)。

  • 1位:Windows 7への移行(2)
  • 2位:サーバ仮想化(1)
  • 3位:ネットワークベースのセキュリティ(3)
  • 4位:データ保護(4)

 これらには、障害復旧/事業継続性、ビジネスインテリジェンス(BI)/ビジネス分析/データウェアハウジングが続き、いずれも回答企業の40%以上が投資を予定している。今回2位のサーバ仮想化については、回答企業の3分の1が仮想サーバのバックアップストレージの仮想化に注力するとし(これらも障害復旧計画の一環だ)、順位以外にも幾つかの変化が見られた。

 ここ数年間サーバ仮想化が注目されているのは、同じく近年注目を集めているデータセンター統合の影響もある。グローバルでは38%の回答企業が、2012年にデータセンター統合を実施するとしている。北米のみではこの割合は30%に落ちるが、これは北米ではデータセンター統合に5年以上前から取り組んでいるためだろう。サーバ仮想化はデータセンター統合を実施する回答企業の67%が採用しており、ホステッドサーバ(30%)や統合インフラストラクチャ(26%)、クラウド(25%)などのテクノロジーを大きく引き離している。

 クラウドコンピューティングは、2011年の22%から上昇しているが、本調査の誤差範囲である2.5%以内の伸びでしかない。それよりも興味深いのは、現在クラウド導入を検討する最大の理由が、SaaS(Software as a Service)である点だ。何らかの形でクラウドを導入する回答者のうち、55%は2012年にSaaSを導入する予定で、その次の優先事項であるStorage as a Serviceの35%を大きく上回っている。実際、SaaSを採用する回答企業は、2012年中にエンドユーザーの57%が1つ以上のクラウドアプリケーションを使用するようになるとしている。

クラウド時代の到来は、まだ先

 しかし、クラウドコンピューティングがすぐにデータセンターに取って代わると考えるのは早計だ。北米では、2012年にクラウドストレージを導入するとした回答企業は30%で、それらの企業の全ストレージ容量のうちクラウドストレージの容量は約30%だ。また、サーバインフラストラクチャをクラウドに配置している回答企業は31%で、2012年に予定しているクラウド運用分は平均して全インフラストラクチャの20%にすぎない。さらに、一般には当面、プライベートクラウドの採用が進むと考えられているが、実際に2012年に導入を予定しているのは18%のみだ。

 他にメディアや業界でもてはやされているクラウドの分野で2012年に導入される見込みが低いのは、オンラインプロダクティビティアプリケーション(10%)とホスティングメールまたはクラウドメール(6%)だ。

 2012年のクラウド関連の主な投資先は、マネージドサービス(49%)とSaaS(44%)になるだろう。これらよりも実績のない分野は、依然として苦しい戦いを強いられる。クラウド導入に関する懸念事項としては、セキュリティ、データ保護、信頼性がトップ3に挙がっている。これらに関連する問題、つまり、セキュリティ、データ保護、障害復旧、コンプライアンスがIT全体で重視されていることを考えれば驚くことではない。

 2012年の全体的なアプリケーション導入の状況を見ると、北米の回答者の66%がオンプレミスソフトウェアとハードウェアを採用するとしている。続いて、SaaSが33%、プライベートクラウドとオンプレミスソフトウェアが29%、アプライアンスが22%、モバイルが17%となっている。PaaS(Platform as a Service)およびプライベートクラウドと自社開発ソフトウェアを使用するとしたのは、それぞれ14%だった。

 上記の導入モデルはどれもパッケージアプリケーションを対象としているが、カスタム開発もアプリケーションを提供する重要な手段の1つであることに変わりなく、2012年には34%がカスタム開発を行い、19%がパッケージアプリケーションを利用すると回答している。2012年に導入が予定されている汎用アプリケーションはおなじみのものばかりで、専門アプリケーションについてはERP、財務、CRM人事アプリケーションが上位を占めている。ただし、トップはBIで、2012年には回答企業の43%が導入を予定している。

グラフ

ITmedia マーケティング新着記事

news101.jpg

「日本企業的DX」の神髄(無料eBook)
「ITmedia マーケティング」では、気になるマーケティングトレンドをeBookにまとめて不定...

news024.jpg

CEOと従業員の給与差「299倍」をどう考える?
今回は、米国の労働事情における想像を超える格差について取り上げます。

news153.jpg

日立ソリューションズが仮想イベントプラットフォームを提供開始
セミナーやショールームなどを仮想空間上に構築。