主要ベンダーのPCIe SSD最速対決各社の製品動向を解説

PCIeスロットに直接挿入することで大幅な低遅延を実現するPCIe SSDストレージ。主要ベンダーの動向と製品を紹介する。

2014年02月07日 08時00分 公開
[Chris EvansComputer Weekly]

 Computer Weeklyは、過去にハイブリッドフラッシュアレイの主要企業を取り上げた(訳注)。今回は、フラッシュストレージ市場での重要な選択肢の1つとなるPCI Express(PCIe)フラッシュとサーバサイドフラッシュについて紹介する。データセンターにおけるストレージの多様化により、PCIe SSD業界は勢力を延ばし、流通する製品の種類も増えている。

訳注:本誌11月6日号:大容量化で激変するフラッシュストレージ市場

 PCIeフラッシュはサーバのPCIeスロットに挿入する。Serial Attached SCSI(SAS)やSerial ATA(SATA)コントローラーが不要なため、SAS/SATA接続する同型のSSDに比べて遅延が大幅に短くなる。遅延が短くなれば、IOPSやMビット毎秒(Mbps)で表されるスループットが向上する。

 米Western Digital傘下の米HGST(旧称日立グローバルストレージテクノロジーズ)が米STECと米Virident Systemsを買収したことから、市場の統合が進んでいる。このことは、Virident製ハードウェアを「X8 PCIe Accelerator」として販売している米Seagateのような企業に影響を与えることになる。

 市場での成長が抑えられ、SSDがさらに普及することから、Western Digitalが従来のHDDから抜け出そうとしているのは明らかだ。PCIeフラッシュの草分けとして知られる米Fusion-ioは、この2、3年で業界リーダーの地位から陥落した。最近では、Fusion-ioのハードウェアと、市場に参入している米LSI、米OCZ Technology、米Intelといった企業のハードウェアとの差はほとんどなくなった。

 一方、オールフラッシュアレイメーカーの米Violin Memoryは、各種のVelocityカードを伴って2013年の始めにPCIe SSD競争に加わった。同社は、信頼性の高いデバイスを実現するため、vRAIDなどのVIMM(Violin Intelligent Memory Module)テクノロジーからIPを切り離すことで差別化を図っている。

 米IBMは米Texas Memory Systemsの買収の際にPCIeハードウェアを除外したとみられ、代わりにFusion-ioテクノロジーをHigh IOPS SSD PCIe Adapterブランドの1つとして販売している。

 技術面では、主要企業は4レーン実装または8レーン実装を使用してPCIe 2.0規格の製品の販売を続けている(8レーン実装の方がより多くの並列I/Oを実行できるためパフォーマンスが高くなる)。

 Fusion-ioは、最も容量の大きいモデルのOctal製品で16レーンを採用している。PCIe 3.0のサポートも開始しており、自社の製品ファミリーで新しい2.5インチのフォームファクターをサポートする企業も登場している。

 いつものことだが、PCIe SSDデバイスで最高のパフォーマンスが得られるかどうかはドライバソフトウェアに懸っている。現時点では、策定されている規格が少ないことから、ドライバソフトウェアの品質はハードウェアと同程度に重要視される。

 下記に記載する数値は全てベンダーが公表しているデータである。




続きを読むには、[続きを読む]ボタンを押して
会員登録あるいはログインしてください。






ITmedia マーケティング新着記事

news047.png

【Googleが公式見解を発表】中古ドメインを絶対に使ってはいけない理由とは?
Googleが中古ドメインの不正利用を禁止を公式に発表しました。その理由や今後の対応につ...

news115.jpg

「TikTok禁止法案」に米大統領が署名 気になるこれからにまつわる5つの疑問
米連邦上院が、安全保障上の理由からTikTokの米国事業の売却を要求する法案を可決し、バ...

news077.jpg

「気候危機」に対する理解 日本は米国の3分の1
SDGsプロジェクトはTBWA HAKUHODOのマーケティング戦略組織である65dB TOKYOと共同で、「...