管理者は肝に銘じるべし
仮想化をめぐる間違った常識ワースト10(1/2 ページ)
ベストプラクティスは本来、管理者による大きな失策を回避するためのものだ。だが頻繁に指摘されるアドバイスの中には、間違っているものもある。本稿では、そうした間違ったプラクティス10選を紹介する。
仮想化をめぐるベストプラクティス、ワースト10
ITの世界には、あらゆる技術に関してインストールや保守、監視、デリバリーのためのベストプラクティスがある。だが仮想化のベストプラクティスは適用する技術によって変化し、かつての優れたアイデアがひどく間違った情報に変わることも珍しくない。
米コロラド州デンバーで2015年7月20~22日(現地時間)に開催された技術カンファレンス「BriForum 2015」では、隔離技術を専門とする米Bromiumの幹部ダン・アレン氏と米Citrix Systemsの主任アーキテクトであるニック・リンタレン氏が、Citrix製品と米VMware製品に関するこれまでのベストプラクティスからワースト10を厳選して紹介した。
さらに両氏は、「VDI(仮想デスクトップインフラ)は本質的に物理デスクトップよりもセキュリティレベルが高い」との通念に選外佳作を贈った。大半のIT管理者は、これが真実ではないことを知っている。だからこそ、VDIをサポートするIT部門は依然、セキュリティ対策に気を抜けない。ただしアレン氏とリンタレン氏が挙げたその他の通説の誤りは、そこまではっきりしたものではない。
間違い1. VMwareの仮想化プラットフォーム「VMware vSphere」の[パフォーマンス]タブは信頼できる
VMware vSphereの[パフォーマンス]タブは信頼できない。vSphereのパフォーマンスを監視する場合、まず確認すべきは[パフォーマンス]タブではない。このタブがパフォーマンスデータを取得するのは20秒ごとなので、CPU使用率の急上昇を見つけられない可能性がある。管理者がパフォーマンスの監視に使うべきは、コマンドラインツール「esxtop」だ。esxtopは2秒ごとにデータを取得する。
間違い2. Citrixの仮想化クライアントソフトウェア「Citrix Receiver」はバージョンによって違いはない
Citrix Receiverはバージョンによって違いがある。Webブラウザ版「Citrix Receiver for Web」はネイティブ版ほどのスケーラビリティを備えない。アレン氏とリンタレン氏によれば、Webブラウザ版は実際、ユーザーに接続インタフェースを提供するための「Citrix StoreFront」のスケーラビリティが、ネイティブ版より30~35%ほど劣るという。
間違い3. Citrixライセンスサーバの猶予期間は自動的に適用される
Citrixライセンスサーバの猶予期間は自動的に適用されない場合がある。Citrixのアプリケーション仮想化製品「Citrix XenApp」やデスクトップ仮想化製品「Citrix XenDesktop」のサーバがライセンスサーバと接続できなくなるか、ライセンスサーバがダウンするかした場合、製品は30日間の猶予期間に入る。企業がユーザーへのサービスを中断させることなく、ライセンスサーバの問題を解決できるようにするための措置だ。ただし、この30日間の猶予期間は必ずしも作動するとは限らない。リンタレン氏によれば、Citrixは目下、猶予期間が常に適切なタイミングで作動するよう、修正に取り組んでいる。IT部門は2つのライセンシングサーバを別々のネットワークで実行し、1台のサーバのように負荷分散することも可能だ。
間違い4. コールバックは任意選択である
コールバックは実際は任意選択ではない。「Citrix StoreFront 2.6」ではコールバックは任意選択となっているが、これを無効にすると、ユーザーはStoreFrontに認証されない。またコールバックが無効だと、管理者がリソースへのアクセス制御に用いるSmartAccessポリシーが正しく機能しなくなる。
間違い5. コーデックはどれも同じである
コーデックは実際にはどれも同じではない。管理者の多くはXenAppとXenDesktopにはコーデックのオプションが複数あることを知らない上に、デフォルトのオプションは大半の企業にとっては誤った選択となる。
「間違ったコーデックを選んで失敗してみないと、このことについて知ることすらないだろう」とリンタレン氏は語る。
特にXenAppまたはXenDesktop 7.xと「Windows 8」あるいは「Windows Server 2012」への移行を予定しているIT部門では、コーデックが配備の成否を左右する。間違ったエンコーダーを使えば、帯域幅を2~3倍多く使うことになりかねず、ユーザーエクスペリエンスの質は下がる。
「リモートデスクトップセッションホスト(RDSH)を使っているなら、H.264は無効にすることだ」とアレン氏は指摘する。
大半のIT部門が選ぶべきは、H.264ではなく「レガシーモード」だ。だが、Microsoftのリモートデスクトップサービス(RDS)のWindowsクライアントがデフォルトで使用するのはH.264である。そのため、コーデックの選択は軽んじられがちだ。あるいは、「レガシー」という単語を目にした管理者が無条件反射的にもう一方のオプションを選んでいる可能性もある、とアレン氏は指摘する。
金融会社でITディレクターを務めるケリー・ミラー氏は社内にXenDesktop 7.6とXenApp 7.6を導入したが、ログオンに時間がかかったり、動画にタイムラグが発生したりといった問題に直面していた。同氏はそれをフォルダリダイレクトの影響かもしれないと考えたが、使用中のコーデックが原因だとは思いもしなかったという。
「無知なことに、私はアレン氏がコーデックについて話したことを何1つ知らなかった。オフィスに戻ったらすぐにコーデックを確認する。確か、デフォルトのH.264を実行しているはずだ」とミラー氏は語る。
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