「自作Excelツールが動かない」という泣き付きがなくならない理由と対処法“脱Excel”か“活Excel”か

接する機会が少ない部署から突然「Microsoft Excelで作成した自作ツールが動かなくなった」と相談が――。ありがちなこうした事態を避けるために、IT担当者はどのように対処すべきでしょうか。

2020年06月09日 05時00分 公開
[村山 聡]

 中堅・中小企業に限らず企業の情報システム部門は、自らが構築したシステムの主管部門とは、システムの課題やニーズを把握するために、特段緊急の用件がなくても定期的な会議を実施してコミュニケーションを重ねることが日常的にあります。一方でシステムを利用する部門からの問い合わせについては、FAQ(よくある質問とその回答)を用意したり、メールのみを受け付ける窓口を用意したりと、コミュニケーションにかかる工数をできる限り削減することが一般的です。

 情報システム部門の人員には限りがあるため、このような応対の差は合理的であるといえます。しかし普段からめったにコミュニケーションを取らない部署ほど、情報システム部門に突然「『Microsoft Excel』(Excel)で作成した自作ツールが動かなくなった」と泣きついて相談することがあるのです。

 普段は情報システム部門と疎遠な部署であっても、業務のシステム化に関するニーズは存在するものです。とはいえシステム化したい業務は、必ずしも企業の根幹となる業務とは限りません。むしろ、その組織特有の業務であることが少なくありません。そして、そうした特定のニーズを満たす手段も存在するものです。

なぜそれでも“自作Excelツール頼み”がなくならないのか

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