前編(Computer Weekly日本語版 7月1日号掲載)では、「Zoom疲れ」とそれを回避した社会福祉慈善団体Jami UKの事例を紹介した。
後編では、Jami UKの事例の続きと一時帰休者のための専用ツールを整え「あなたは1人ではない」と伝え続ける採用コンサルタントの真意を紹介する。
オンラインプラットフォームへの移行に伴うもう一つの予想外のメリットは、同団体の運営の在り方が一変したことだった。かつては4カ所の拠点に物理的なチームが配置されていた。だが今では、顧客と対面しない活動やオンラインプログラムの提供など、サービスに応じて仮想チームが結成されるようになった。
「地域ではなくユーザーが必要とするサービスに各チームがフォーカスするようになり、リソースの効率性が大幅に向上した」とカーモード氏は語る。「人材のスキルを活用する方法も変化した。単に何のために採用されたのかではなく、実際に何ができるかに目を向けるようになった」
新型コロナウイルス危機がもたらしたプレッシャーは、単に不自由だっただけではない。「そのおかげで私たちは大胆になれた」と同氏は言う。話し合いを重ねた末の形式的な組織の変化ではなく「全てを宙に投げ出して、どこに着地するかを見極める機会」が与えられたと振り返る。
同時に課題もあった。同団体の職員61人と1300人余りのサービス利用者のうち、相当数は技術の利用に不安があり、アクセスもできなかった。
職員にはノートPCを支給して研修も実施したが、一部は数週間の間生産性が低下し、自信を持って効率的にシステムを使えるようになるまで孤立状態に置かれた。クライアントについては、リモートのサポートを実現するためのタブレットとSIMカード、「TeamViewer」ソフトウェアを約45人に提供する目的で資金集めキャンペーンを実施している。
「アクセシビリティーはこれまでもずっと介護における真の問題であり、スタッフに柔軟な働き方を提供することと真に並行していた。だが今、私たちはパンデミックの中でこの種の技術がいかにパワフルで影響力が大きいかを目の当たりにし、恐らく以前からニーズが存在していたことも分かった。これを今後のソリューションの一部としなければならない」とカーモード氏は話している。
グローバル採用コンサルタント会社のHarvey Nashはロックダウンの間、一時帰休中のスタッフに引き続き組織の一員だと感じてもらうためにMicrosoft Teamsの利用を拡大した。
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