Optane DC Persistent MemoryはSSDではない。単なるメモリでもない。使い方次第でアプリやシステムのパフォーマンスを劇的に向上させることができる。ただし2つの動作モードを理解する必要がある。
Intelは最近、NANDフラッシュとSSDの製造事業を韓国のSK hynixに90億ドル(約9510億円)で売却した。興味深いのは「売却しなかったもの」だ。
Intelは3D XPointベースの「Optane」を手元に残した。Optaneは、非常に高価で高速なDRAMと安価だが低速なストレージメディア(SSD、HDD、テープなど)の間に位置する。
Intelでシニアディレクターを務めるクリスティ・マン氏は最近のWebキャストで、Optaneのレイテンシは「Optane DC Persistent Memory」(Optane PM)が1マイクロ秒、SSDバージョンが10マイクロ秒としている。これはDRAMの100ナノ秒に匹敵する。標準的なSSDのレイテンシは最大約100マイクロ秒だ。HDDやテープはこれらよりはるかに遅い。
3D XPointは相変化メモリ技術に基づいており、他のフラッシュストレージとはアーキテクチャが異なる。3D XPointにはトランジスタがない。グリッド内で直交する配線の交点にメモリのセルとセレクターが配置される。このグリッドを3次元に積み重ねて接続することでストレージ密度を高めることが可能だ。
セルは永続化され、電力を失っても値を無期限に保持する。読み取りと書き込みは、各セレクターに送る電圧を変えることで行う。
「Optaneは、レイテンシの点でメモリとストレージのギャップを埋める。データはメモリバスに置かれるが、永続化される。それも容量が大きく、レイテンシは短い」(マン氏)
Optaneはバイトアドレス指定も可能だ。つまり1文字単位の読み取り/書き込みができる。バイトアドレス指定はメモリの重要な特性で、ストレージと差別化される点だ。
Optane PMは2つのモードで機能する。アプリダイレクトモードとメモリモードだ。アプリダイレクトモードでは、アプリケーションは不揮発性メモリ層としてOptaneにアクセスし、揮発性メモリ層としてDRAMを使用する。メモリモードでは、アプリケーションは揮発性メモリの1つのプールとしてDRAMとOptane PMにアクセスする。
マン氏は、最終的に最も使われるのはアプリダイレクトモードだと考えている。だがアプリケーションのリファクタリングが必要なので、そうなるまでには時間がかかるとも考えている。メモリモードはアプリケーションの変更が不要で、そのまま大容量メモリを提供する。ただし、ストレージは永続化されない。
マン氏の推定では、Optane導入の概念実証(PoC)の60%(約600例)がメモリモードでOptane PMを使い、40%がアプリダイレクトモードで使用しているという。
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