2021年05月17日 05時00分 公開
特集/連載

「API流用」は全て合法なのか? Google対OracleのJava訴訟判決で残る謎「API」に著作権はあるのか【中編】

Googleによる「Java」のAPIソースコード引用について、米最高裁は判決で合法との判断を示した。開発者にとっては朗報との見方がある一方、「判決には疑問の余地がある」と考える専門家がいる。どういうことなのか。

[Darryl K. Taft,TechTarget]

 Oracleは2010年にGoogleを訴え、プログラミング言語および開発環境「Java」のAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)のソースコード1万1500行以上をGoogleが引用したことは著作権侵害だと主張した。これに対して米最高裁判所は、Googleのソースコードの利用は著作権法が定める「公正な利用」(フェアユース)に該当するとの判決を下した。

 IT業界は長年にわたりAPIを「著作権で保護されないもの」「フェアユースに基づき使用できるもの」として扱ってきた。その根本的な前提が突如覆れば「業界はたちまち混乱に見舞われただろう」と、ソフトウェア開発業界を対象とした調査会社RedMonkでアナリストを務めるスティーブン・オグレディ氏は指摘する。最悪の場合、便乗する著作権の要求や訴訟が相次ぎ「システム開発業界の革新が足を取られていたはずだ」とオグレディ氏は語る。

 ソフトウェア開発の要であるAPIは、ソフトウェア開発業界に革新をもたらしてきた。「APIが著作権で保護されるという考え方は、業界の革新を阻害する。弁護士にとっては喜ばしくても、多くの開発者にとっては恐怖だった」と、CI/CD(継続的インテグレーション/継続的デリバリー)ツールベンダーCloudBeesの共同創業者で最高戦略責任者のサッチャ・ラボーリー氏は語る。今回の最高裁判決は「著作権法を革新的な方向に近づけた」とラボーリー氏は指摘する。

 APIを開発、使用する企業にとって、今回の判決は概して朗報だった。「この判決は今後のAPIの発展と普及を助け、APIを使った企業が訴訟を起こされる不安を払拭(ふっしょく)する助けになる」と、API管理ツールベンダーWSO2の最高技術責任者(CTO)であるエリック・ニューカマー氏は語る。「APIのデータ連携に関する部分を著作権の対象にすべきではない」(ニューカマー氏)

どこまでが「公正な利用」なのか

 シラキュース大学(Syracuse University)法学教授のシャブハ・ゴッシュ氏は「Google勝訴の判決に驚きはない」と話す。ただし、この判決の妥当性と明確性については、ある程度の疑問が残る。

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