「AIoT」で競合に差をつける小売業や自動車メーカー 成果を出すポイントは?「AI」と「IoT」の相乗効果【後編】

AI技術とIoTを組み合わせる「AIoT」が今後急速に広がる可能性がある。小売りや自動車業界の取り組みを参考にして、成果を出すポイント考えてみよう。

2021年07月29日 05時00分 公開
[Lou LutostanskiTechTarget]

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 各業界で「IoT」(モノのインターネット)と「AI」(人工知能)技術を組み合わせる「AIoT」(Artificial Intelligence of Things)を使った取り組みが進んでいる。製造業の取り組みを紹介した前編「AI×IoTの融合技術『AIoT』とは? 製造業も成果を上げるその仕組み」に続き、本稿は小売業界や自動車業界の取り組みと、AIoT活用を成功させる秘訣(ひけつ)を紹介する。

小売業のAIoT:顧客行動を購入量増加につなげる

 小売業のある会社は、AIoTを用いて顧客に関する洞察を得て、売り上げを伸ばしている。この会社はモバイル端末のユーザーの行動追跡と、店舗のIoT機器を組み合わせ、店舗を訪れた顧客に合わせた販売施策を提供している。これは客足の増加を後押しするだけではない。顧客が店舗内を見て回りやすくなるとともに、より多くの情報を得られるようにもなる。最終的には顧客がより多くの商品を購入することにつながる。

自動車業界のAIoT:データを生かして故障を事前に食い止める

 ある自動車会社はAIoTを利用して、部品の故障や摩耗を予測するシステムを運用している。このシステムは、リコールの情報や保証書に加え、米国運輸省道路交通安全局やソーシャルメディアのデータなどを用いて、交換の必要性が高い部品を可視化する。これによって、部品が故障する前に無料の整備点検を顧客に提供できる。その結果、顧客が部品の故障に起因する問題に見舞われることが減り、自動車の信頼性に対する評価を維持できるようになる。

AIoT活用に向けた計画

 企業がAIoTを生かすには、2つの手順を意識するとよい。まず、AIチームとIoTチームを統合する必要がある。ソフトウェアを担当するAIチームの技術者はIoTチームと足並みをそろえて取り組み、ソフトウェアがIoT機器の潜在能力を最大限に引き出せるように工夫することが重要になる。同様に、IoT機器を担当するIoTチームは、AIチームのニーズに適したインフラを確実に構築する必要がある。

 次に、重点を監視から予測に移さなければならない。これまでIoTは、主にIoT機器の状態を監視するために使用されてきた。AIoTを活用する場合は、その重点を機器の動作の変化やメンテナンスの必要性を予測することに移す必要がある。そうすることで、AIoTを用いてニーズを先取りしたり、運用効率を高めたりできるようになり、それが最終的にはビジネス全体の競争力を向上させることにつながる。

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