米国防総省(DoD)はクラウドに関する新しい取り組み「JWCC」を立ち上げた。DoDは最終的にどのベンダーを採用するのか。
クラウドプロジェクト「JEDI」(Joint Enterprise Defense Infrastructure)に関するMicrosoftとの契約を解除すると発表した米国防総省(DoD)は、「JWCC」(Joint Warfighter Cloud Capability)と呼ぶ新しい取り組みを立ち上げ、MicrosoftとAmazon Web Services(AWS)に提案を求める計画だ。前編「米国防総省がMicrosoftとの100億ドルクラウド契約を撤回した理由 JEDIの行方は」に引き続き、本稿はJEDI契約の撤回とJWCCについて説明する。
JWCC契約を受注する可能性があるのは、MicrosoftとAWSに限らない。ただし重要情報を管理するための厳しい基準を満たす必要があるため、応募可能なベンダーは限られる。MicrosoftとAWSはJEDI契約獲得時点でこれらの要件を満たしている。JWCCの基準を満たしているMicrosoftやAWSと比べ、Googleなどの他ベンダーにとっては「高い壁が立ちはだかる」と、コンサルティング会社Network Communications Architectsのプレジデント、フランク・ズベック氏は語る。
Microsoftは公式ブログのエントリ(投稿)でDoDの決定に一定の理解を示し、次のように述べている。
当社はDoDの論拠を理解しており、JEDIが提供していたはずのミッションクリティカルな技術を必要としているDoDと軍関係者を支援します。DoDは何年にも及ぶ法廷闘争を続けるか、それとも別の道を探して前に進むかという難しい選択を迫られました。(中略)DoDがMicrosoftとその技術を信頼していることは明らかであり、新しい取り組みのパートナーを選定するに当たり、当社が引き続き成功することを確信しています
本稿執筆までにAWSのコメントを得ることはできなかった。
調査会社Constellation ResearchのCEO、R・レイ・ワン氏は、JEDIの計画のほとんどは「時間と労力の無駄に終わった」と語る。「結局のところ、OracleとAWSのロビー活動がJEDIに関するDoDの自信を揺るがした」とワン氏は指摘。「次はGoogleやOracleが再び入札するかどうかが問題だ」と同氏は話す。
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