「Rust」のメリットとデメリット【後編】
難しくても「Rust」を学びたくなってしまう理由
クラウドネイティブなアプリケーション開発でプログラミング言語「Rust」を採用する開発者は、何をメリットと捉えているのか。デメリットと共に解説する。
プログラミング言語「Rust」は、特に高速な動作速度や高い安全性が求められるアプリケーションを開発する際にメリットが際立つ。その半面、開発者の学習曲線は険しいという見方がある。
仕組みが大きく異なる他のプログラミング言語からRustに移行すると、開発者の生産性が悪くなる恐れもある。例えばプログラミング言語「Go」は、自動でメモリ領域を解放するメモリ管理技術「ガベージコレクション」を採用しているため、開発者はメモリ管理の負担を軽減できる。Rustの場合は開発者が意図的にメモリを操作しなければならない。これが原因で全体的な開発スピードが低下することもある。
それでもさまざまな企業が、こうしたトレードオフを受け入れてRustを採用してきた。それはなぜか。Microsoftのシニアソフトウェアエンジニアであるテイラー・トーマス氏は、「Rustの自在性や安全性は、厳密なルールに従わなければならない不便さをしのぐ」と語る。
どんなに難しくても「Rust」を学びたくなる理由
ガベージコレクタがない点も「場合によっては利点となる」とトーマス氏は指摘する。こうした機能はクラウドサービスでの運用を前提にした「クラウドネイティブ」なアプリケーションの開発者が求めていたものだと同氏は強調。クラウドネイティブアプリケーションの開発でありがちな不具合を避けるのに役に立つと説明する。
Rustでの開発には思考の転換が必要なため、背を向ける開発者も中にはいると考えられる。だがRustを取り入れた企業の間で共通しているのは、「遅さは着実さであり、着実さは速さだ」という指摘だ。
生産性には、開発速度以外にも、作業のやり直しが関係する。開発者は「バグ(不具合)は発生するもの」として受け入れてきた。Rustは、アプリケーションを開発し終わってから遭遇するバグを減らせる可能性がある。学習曲線やプログラミングのスタイルに手間取ったとしても、アプリケーションの長期的なメンテナンス性に関して得るものは大きい。
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
事例
[日本オラクル株式会社] ピンチをチャンスに変えたEPR製品は? 先行企業の導入事例3選 -
技術文書・技術解説
[日本オラクル株式会社] 無自覚なリスク 秘伝Excelファイルが監査の壁、不正・ミスの温床となる理由 -
製品資料
[日本オラクル株式会社] 戦略的経理の第一歩 失敗のない「脱Excel」を実現する秘訣とは? -
技術文書・技術解説
[日本オラクル株式会社] いまさら聞けないオンプレERPとクラウドERPの違い 最適な製品をどう見極める? -
事例
[株式会社ビザスク] 連結売上高が約2倍に成長、富士フイルムが実践した新規事業創出の戦略とは?
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
損保ジャパンはなぜ「COBOL」を捨てなかったのか? 脱メインフレームの真相
-
2
なぜ「全社配布Copilot」は使われないのか? 失敗に学ぶAI定着
-
3
慶應義塾が「Notion」を選んだ理由 AI導入の盲点になる“情報のサイロ化”
-
4
「企業内サーバ環境の利用実態」に関するアンケート
-
5
エンジニアの生産性はどう測る? マネジメントに不可欠な可視化の実現方法とは
-
6
「ノートPC派」は損をしている? Dellと考える“自作PC”のメリット
-
7
「IoT通信環境の構築・運用」に関するアンケート
-
8
大阪証券取引所がHiRDBで実現した「世界トップレベルの応答速度」を誇る新売買システム
-
9
「Copilot」はなぜ放置される? “議事録要約止まり”を脱する処方箋
-
10
ただなのに「12時間以内の復旧」も要求 無償OSSに商用レベルを求める企業の末路
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
DX/AI投資の壁を突破、現代の最高財務責任者が直面する課題と克服のヒント
-
2
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
3
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
-
4
バックアップは“取っているから大丈夫”なのか? ランサムウェア時代の備え方
-
5
システムの保守がモダン化を阻む? 「変えない判断」から脱却する方法とは
-
6
生成AIを開発に導入しても効果が見えない? 実証実験で分かった成果と課題
-
7
経産省DX指針から読み解く、受発注業務デジタル化ロードマップ
-
8
5分で分かる Microsoft 365のデータ損失に備えるためのバックアップの仕組み
-
9
ネットワーク遅延の原因、「パケットロス」の基礎知識と効果的な解決策
-
10
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー