米国のある調査によれば、CIO(最高情報責任者)がDXを推進する際の役割は「機長」「副操縦士」「エンジニア」のいずれかに分類できるという。それはどういうものなのか。
企業におけるCIO(最高情報責任者)の役割は、「戦略的価値を提供するリーダー」から「新しいビジネスの共同創業者」へと進化してきた。これにより企業の最高幹部(CxO)間の連携が強まり、CIOがデジタルトランスフォーメーション(DX)の最前線に立つことが珍しくなくなっている。
このような変化は全業界のCIOに共通する。ライフサイエンス企業は開発サイクルを劇的に加速させ、消費財を扱う企業は消費者へのD2C(Direct to Consumer)モデルを再構築し、小売業はサプライチェーンを整理して店舗の在り方を見直すなど、さまざまな事例がある。
DX支援を手掛けるグローバルサービス企業のGenpactが、世界のCIOとテクノロジーリーダー500人を対象に実施した調査結果からも、この変化の動向は確認できる。同社はこの調査をCIOコミュニティーのMIT Sloan CIO Symposiumと共同で実施し、2021年5月公開の報告書「Pilots, co-pilots, and engineers――Digital transformation insights from CIOs for CIOs」にまとめている。
この調査報告書の内容によれば、CIOの22%は「機長」の役割を担い、事業の中核的な機能のDXを積極的に推進していた。CIOの61%は「副操縦士」として、ビジネスリーダーと協力しながらDXを形にして、企業全体の変革を実現。残り17%のCIOは、DXを軌道に乗せる「エンジニア」の位置付けだった。
新たな価値創造のためには、CIOがCEOの意思決定のための議論に加わる必要があることが明らかになっている。実際に、今回の共同調査に回答した83%のCIO(機長と副操縦士の合計)はDXにおける戦略の意志決定を担っている。
後編は同調査のデータを基に、DX時代のCIOに必要な条件について考察する。
米国TechTargetの豊富な記事の中から、さまざまな業種や職種に関する動向やビジネスノウハウなどを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
企業がビジネス規模を拡大し、サプライチェーンやビジネスパートナーとの協業が進んだことで従来型のリスク/コンプライアンス管理の限界が露呈しつつある。リスク管理を次のステップに進めるためには、これまでと異なる仕組みが必要だ。
Lenovoでは、顧客デバイスのライフサイクル管理を支援するDevice as a Serviceを世界中に提供している。しかし、そのオペレーションは複雑であり、顧客エクスペリエンスを高めるために改善が必要だった。同社が採った改善策とは。
セキュリティリスクが増大している今日において、社内のセキュリティ教育は必須のタスクとなっている。しかし、セキュリティ教育それ自体が目的化してしまい、確実な効果を上げられていないケースも多い。
日々進化するサイバー攻撃から自社を守るためにも、時代の変化やトレンドに応じてセキュリティ教育を見直すことが必要だ。その実践ポイントを「目的の再確認」「教育の実施状況の分析」「理解度・定着度の測定」の3つの視点で解説する。
データ活用人材を社内で育成するためには、「DX推進者」や「分析実務者」などの役割に応じたスキル定着が欠かせない。効果的な育成を行う方法として、あるデータ活用人材育成サービスを取り上げ、その特徴や事例を紹介する。
2025年の「IT導入補助金」で中堅・中小が導入すべき2つのツール (2025/3/31)
申請業務のシステム化が難しい理由とその解決策とは (2024/9/27)
運用・管理はお任せ 生成AIを安全に活用できるRPAプラットフォーム (2024/5/16)
オンライン研修で情報処理安全確保支援士の取得と維持を支援 (2024/2/1)
セキュリティ対策にDX 情シスが「やりたくてもできない」状況から脱するには? (2024/1/29)
いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。
「マーケティングオートメーション」 国内売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、マーケティングオートメーション(MA)ツールの売れ筋TOP10を紹介します。
「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。
「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年4月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。