システム障害を招かないための「データセンターOS移行」4つのステップデータセンターOS移行の成功法【後編】

データセンターでのOS移行は、下手をすると想定外のシステム停止を招く恐れがある。OS移行をスムーズに進めるには、企業はどうすればいいのか。失敗しないためのステップをまとめた。

2022年07月20日 08時15分 公開
[Jacob RoundyTechTarget]

 データセンターのスケーラビリティ(拡張性)を高めるためには、定期的にサーバのOSを移行することが重要だ。OS移行はメリットが大きい半面、システム停止につながりかねない落とし穴もあり、企業は慎重に行動する必要がある。

 企業がデータセンターでのOS移行を成功させるには、以下のステップを踏むことが有効だ。

1.発生する作業の洗い出し

 データセンターのシステムのどの部分がOSを使ったり、OSの影響を受けたりしているのかを精査すれば、OS移行に際してどのような作業が発生するのかを事前に把握できる。データセンターは24時間365日、稼働し続けなければならない。OS移行時はシステム稼働への影響を最小限に抑えることが重要だ。作業の洗い出しはサーバ、ストレージ、ネットワーク、アプリケーションなど、システム全体を網羅する必要がある。それを踏まえ、各作業に優先順位を付けて計画的に行動しよう。

2.プロジェクト管理計画の作成

 OS移行の過程において、いつ、何をすべきかを明確にした計画を立てることが大切だ。OS移行の作業者は簡単な部分から着手し、複雑な部分を分かりやすいプロセスに分解して取り組むことで、トラブル発生のリスクが下がる。しっかりしたプロジェクト管理計画の作成は、システム停止を避けるために不可欠だ。

3.実行フェーズの開始

 作業開始後は

  • 新しいOSのバージョンが正しいかどうか
  • 最新のアップグレードが実施されているかどうか
  • セキュリティのパッチ(修正プログラム)が適用されているかどうか

といった項目を確認しなければならない。ここで確認を怠ると、攻撃につながりかねない脆弱(ぜいじゃく)性ができる可能性があるため、じっくり時間をかけて確認をしよう。他にもアプリケーションのテストを繰り返したり、サーバやデータベースへのアクセスをチェックしたりすることが重要だ。

4.調整と最適化

 全てのテストが終了し、新しいOSが稼働した後も、OSを定期的にレビューするとともに、アプリケーションの最適な動作方法を考える必要がある。こうした慎重な調整は、新しいOSが処理速度や応答速度といったサーバのパフォーマンスを引き出すための鍵を握っている。

TechTarget発 世界のインサイト&ベストプラクティス

米国TechTargetの豊富な記事の中から、さまざまな業種や職種に関する動向やビジネスノウハウなどを厳選してお届けします。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アイティメディアからのお知らせ

From Informa TechTarget

なぜクラウド全盛の今「メインフレーム」が再び脚光を浴びるのか

なぜクラウド全盛の今「メインフレーム」が再び脚光を浴びるのか
メインフレームを支える人材の高齢化が進み、企業の基幹IT運用に大きなリスクが迫っている。一方で、メインフレームは再評価の時を迎えている。

ITmedia マーケティング新着記事

news017.png

「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。

news027.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。

news023.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...