「Azure Virtual Desktop」は結局、Windows 365と何が違うのか?「Windows 365」と「Azure Virtual Desktop」はどちらを選ぶべきか【第3回】

MicrosoftのDaaS「Azure Virtual Desktop」(AVD)は、同社の「Windows 365」とは大きな違いがある。それは何なのか。AVDの特徴を簡潔に説明する。

2022年08月23日 05時00分 公開
[Gary OlsenTechTarget]

 MicrosoftはDaaS(Desktop as a Service)として、「Windows 365 Cloud PC」(Windows 365)と「Azure Virtual Desktop」(AVD)を提供している。本稿はAVDの仕組みと特徴を説明する。

「Azure Virtual Desktopとは何か」をざっくり理解する

 エンドユーザーに仮想デスクトップを提供する点では、AVDはWindows 365と変わらない。AVDはWindows 365よりも、仮想デスクトップの設定に関するユーザー企業の自由度が高い。サーバOS「Windows Server」のデスクトップとアプリケーションを実行できる点や、Windows 10、Windows 11、「Windows 7」の仮想デスクトップを共通の方法で管理できる点が、AVDの特徴だ。

 重要な特徴がもう一つある。Azureの管理コンソール「Azure Portal」やAVD用のコマンドラインインタフェース(CLI)「Azure Virtual Desktop PowerShell」などを使って、ユーザー企業のIT担当者自身が仮想デスクトップを管理できることだ。これによりIT担当者は、1つのウィンドウからAVDで利用する全バージョンのOSとアプリケーションを管理可能になる。ただし、こうした自由度の高さは、IT担当者の負担を増やす可能性がある。

個人用デスクトップとプールされたデスクトップの違い

 AVDは、仮想デスクトップのエンドユーザーへの提供形態を2種類用意する。「個人用デスクトップ」(永続的デスクトップ)と、「プールされたデスクトップ」(非永続的デスクトップ)の2つだ。

 個人用デスクトップでは、各エンドユーザーに個別の仮想デスクトップを提供する。プールされたデスクトップでは、各エンドユーザーが仮想デスクトップを専有しない。エンドユーザーが仮想デスクトップの接続を終了すると、仮想デスクトップに加えた変更はリセットされる。


 第4回は、Azure Virtual Desktopの料金体系と、利用料金を節約するための方法を説明する。

TechTarget発 先取りITトレンド

米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

From Informa TechTarget

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。

ITmedia マーケティング新着記事

news046.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年4月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。

news026.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...

news130.jpg

Cookieを超える「マルチリターゲティング」 広告効果に及ぼす影響は?
Cookieレスの課題解決の鍵となる「マルチリターゲティング」を題材に、AI技術によるROI向...