SSDの“あの無駄”がなくなる? 「Software-Enabled Flash」(SEF)とはSSD新時代は来るのか【第2回】

企業におけるストレージ設計の変革を狙う技術「Software-Enabled Flash」(SEF)とは何なのか。業界関係者は、SSDの課題を突破する可能性があると期待を込める。

2022年12月29日 05時00分 公開
[Adam ArmstrongTechTarget]

 HDDに並び、企業の主要ストレージの座を獲得したSSD。データ量やコストの増大という課題が浮上する中、ストレージの業界関係者が「SSD利用の常識をひっくり返す存在」と説明するストレージインタフェース技術が登場した。その「Software-Enabled Flash」(SEF)とは、何なのか。

SSDには無駄がある? SEFの狙いとは

会員登録(無料)が必要です

 SEFはキオクシアが2020年に開発に着手した、SSD用のストレージインタフェース技術だ。SEFを使えば、ソフトウェア開発者はテナント(システムを管理する単位)の分離やレイテンシ(遅延)、データ配置などを制御できるようになる。「これらの制御は、コンピューテーショナルストレージ(ストレージに計算機能を組み込む設計)を使って通信効率の向上を図る中で、ますます重要になってきている」。調査会社Coughlin Associatesのプレジデントであるトム・コフリン氏はそう述べる。

 キオクシアの米国子会社KIOXIA Americaの技術担当バイスプレジデントであるスコット・ステッツァー氏によれば、SEFはSSD利用における現状を覆す存在となる。SEFは、NAND型フラッシュメモリの機能や動作の制御をソフトウェア開発者に委ねることになるからだ。それによって、SSDのストレージコントローラーが独立して動作するために遅延が発生するという、現状の課題を突破できる可能性を秘める。

 SEFを使用すれば、ソフトウェア開発者はSSDの導入後に、ニーズに合わせて制御をカスタマイズできるようになる。その結果、活用し切れていない空き容量やサイロ(孤立)化した容量の、有効な利用方法が見つかる可能性がある。

 調査会社Objective Analysisで半導体およびSSDのアナリストを務めるジム・ハンディ氏によれば、サイロ化の解消はデータセンターにとって特に重要だ。容量の使用率が上がり、それがコストの抑制につながる。「SEFが普及するかどうかは、結局のところコストの問題だ」とハンディ氏は語る。

TechTarget発 先取りITトレンド

米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

新着ホワイトペーパー

事例 INFINIDAT JAPAN合同会社

IOPSが5倍に向上&コストも80%削減、エクシングが選んだ大容量ストレージとは

カラオケ業界が直面するデータ増に対応すべく多くのストレージを試し続けた結果、4社27台の製品のメンテナンスに悩まされていたエクシング。この問題を解消すべく、同社は大容量かつコスト削減効果に優れた、新たなストレージを導入した。

製品資料 プリサイスリー・ソフトウェア株式会社

データソート性能向上でここまで変わる、メインフレームのシステム効率アップ術

メインフレームにおけるデータソート処理は、システム効率に大きく影響する。そこで、z/OSシステムおよびIBM Zメインフレーム上で稼働する、高パフォーマンスのソート/コピー/結合ソリューションを紹介する。

事例 INFINIDAT JAPAN合同会社

従来ストレージの約8倍の容量を確保、エルテックスが採用したストレージとは

ECと通販システムを統合したパッケージの開発と導入を事業の柱とするエルテックスでは、事業の成長に伴いデータの容量を拡大する必要に迫られていた。そこでストレージを刷新してコスト削減や可用性の向上などさまざまな成果を得たという。

製品資料 日本ヒューレット・パッカード合同会社

空冷だけではなぜ不十分? データセンターの熱負荷対策をどうする

CPUやGPUの性能向上に伴い、データセンターでは今、発熱量の増加にどう対応するかが課題となっている。特に高密度なサーバ環境では、従来のファンやヒートシンクに頼るだけでは熱管理が難しい。こうした中、企業が採用すべき手段とは?

製品資料 Dropbox Japan株式会社

ファイルサーバをアウトソーシング、「クラウドストレージサービス」の実力

中堅・中小企業の中には、IT担当者が社内に1~3人しかいないという企業も少なくない。そのような状況でも幅広い業務に対応しなければならないIT担当者の負担を減らす上では、ファイルサーバをアウトソーシングすることも有効だ。

From Informa TechTarget

お知らせ
米国TechTarget Inc.とInforma Techデジタル事業が業務提携したことが発表されました。TechTargetジャパンは従来どおり、アイティメディア(株)が運営を継続します。これからも日本企業のIT選定に役立つ情報を提供してまいります。

ITmedia マーケティング新着記事

news046.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年4月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。

news026.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...

news130.jpg

Cookieを超える「マルチリターゲティング」 広告効果に及ぼす影響は?
Cookieレスの課題解決の鍵となる「マルチリターゲティング」を題材に、AI技術によるROI向...