「クワイエットハイヤリング」(静かな採用)が、人事のトレンドになる可能性がある。人材不足の解決策になることを専門家が期待するこの施策は、どのようなものなのか。
「今の勤務先は辞めないが、必要最低限の仕事しかしない」といった、いわゆる「クワイエットクイッティング」(静かな退職)をする従業員の存在は、企業にとってリスクを抱えることになる。同じように「クワイエット」(静かな)で始まる用語が示す施策の中には、むしろ企業が従業員を生かす上で、有力な手段になり得るものがある。それは何なのか。人事分野で台頭し得る4つのトレンドのうち、4つ目を紹介する。
調査会社Gartnerでアナリストを努めるエミリー・ローズ・マクレー氏は「企業は雇用のペースを落としており、従業員数を増やすのは難しくなる一方だ」と話す。だが企業は総じて、人材不足の問題を抱え続けている。「フルタイム従業員の数を増やすことなく、人材を確保する方法を考えなければならない」とマクレー氏は指摘する
中には契約社員やギグワーカー(インターネットを介して、単発または短期で仕事を請け負う労働者)を増員する企業がある。別の手段として「社内異動を増やすというアプローチもある」とマクレー氏は語る。だが人事部門が社内異動をサポートしたとしても、チームの人材を失いたくない管理職の抵抗に遭う可能性がある。
Gartnerは「クワイエットハイヤリング」(静かな採用)が2023年の人事トレンドになり、人材に関する文化が真に変化すると考えている。クワイエットハイヤリングとは、今後成長を目指す分野に業績優秀な人材を異動させ、新しい役職として“採用”することだ。マクレー氏は、従業員はクワイエットハイヤリングによってスキルアップの機会を得やすくなったり、挑戦的な課題に取り組む機会を増やしたりできると考えている。
クワイエットハイヤリングは「フルタイムの人材を新たに雇用しなくても、スキルを持つ人材を確保できる方法の一つになる」とマクレー氏は話す。
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