モータースポーツ配信を低遅延に 「光ファイバー」を使った中東からの挑戦中東と欧州がつながる日【後編】

モータースポーツの様子を配信するには安定したネットワークインフラが欠かせない。エンドユーザーに臨場感のある映像を届ける鍵となったのは光ファイバーケーブルだった。

2023年06月26日 05時15分 公開
[Joe O’HalloranTechTarget]

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 中東で開催される競輪やフォーミュラ1(F1)、スノーモービルなどのモータースポーツを映像配信するため、ネットワークサービスプロパイダーのRiedel NetworksとKalaam Carrier Solutions(KCS)はパートナーシップ契約を結んだ。KCSはバーレーンに本社を置く通信事業者Kalaam Telecom Groupのグループ企業だ。

車やドライバーからの映像を“低遅延”で配信

 Riedel Networksはエンドユーザーがインターネットにアクセスするための接続点である「PoP」(Points of Presence)を40カ国以上に展開。一方のKalaam Telecom Groupは約1400キロの地上光ファイバーケーブルの「Kalaam Network Optical Transit」(Knot)を保有している。その他、インドや中東、欧州にまたがる約1万5000キロの光海底ケーブル「Europe-India Gateway」(EIG)の共同所有権も持つ。

 エンドユーザーにモータースポーツの様子を配信する際に、鍵となるのはKalaam Telecom Groupの持つ光ファイバーケーブルだ。Riedel NetworksとKalaam Telecom GroupのPoP間を、広域に張り巡らせた光ファイバーケーブルでつなぐ。

 これにより、レースカーやドライバーからの映像を、通信遅延を抑えながら、各地にある放送局やデータセンターなどの事業者に共有できる。

 Riedel NetworksとKCSがパートナーシップを締結したのは2022年12月。モータースポーツシーズンの開幕に間に合わせるべく、その数週間後にはPoPの運用を開始している。

 Riedel NetworksのCEOマイケル・マーテンス氏は次のように語る。「Kalaam Telecom Groupの持つ堅牢(けんろう)なネットワークインフラや、KCSの中東市場での知見のおかげで、安定したネットワークを実現し、当社の顧客が期待するモータースポーツ配信が可能になった」

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