地球に優しいネットワークを作る【第3回】
DXを進める企業が見失ってしまう“システムのある性質”とは?
データ処理の負担が増大しつつある中で、企業はDXを進める上でのさまざまな課題に迫られている。経営層や事業部門とIT部門の課題に対する認識は食い違っている。
コンサルティング会社Arthur D. Littleによれば、個人や家庭のデータ使用量は欧州全土で増加傾向にある。増大するデータをどう処理するかは、デジタルトランスフォーメーション(DX)を進める企業にとっても無視できない問題だ。企業のIT部門は、ネットワークの最適化を踏まえてDXに取り組む必要がある。
企業がDXに取り組むに当たってのもう一つの問題になるのが、企業内の経営層や事業部門と、IT部門との間に、認識の食い違いがあることだ。
DXを阻む真犯人
企業内の経営層と事業部門の認識と、IT部門の認識の違いは、以前から論じられている。ネットワーク機器ベンダーのRiverbed Technologyは「Rethink Possible: Visibility and Network Performance - The Pillars of Business Success」と題するレポートを2020年に公開し、その実態をまとめている。
併せて読みたいお薦め記事
連載:地球に優しいネットワークを作る
データ増加に立ち向かう
Riverbedのレポートは、英国、ドイツ、スイス、フランス、オランダ、中東の経営幹部や事業部門の意思決定者、IT部門の意思決定者の計1726人を対象に調査した結果をまとめたものだ。約86%が「自社の成長にはITシステムのパフォーマンスがますます重要になる」と考え、約84%は「長期的な成功を収める上では顧客のデジタルエクスペリエンス(デジタル技術を使ったサービスの体験価値)の強化が不可欠になる」と考えている。
一方で、企業が思うようにDXを起こせていない現実もある。新しい技術を用いたシステムを導入する際にIT部門が直面する課題といえば、以前は新システムの改善点や実装方法に関する事項だった。だが近年、企業は新システムの保守方法に頭を悩ませており、創造性や革新性が失われている。
DXのプロジェクトが遅れ、想定外の課題が発生している──。そう感じている企業の経営幹部に理由を尋ねたところ、最も多い理由は「IT部門の知識と応用性の欠如」で48%だった。2番目は「変化に対する従業員の抵抗」で47%だった。
IT部門の意思決定者に同様の質問をぶつけたところ、1番目の理由は「新システムとレガシーシステムの統合に問題がある」で50%、次いで「変化に対する事業部門の抵抗」が41%だった。
Riverbedは、IT部門が新システムの保守にばかり関心を寄せるような状態が習慣化すると、創造的イノベーションが損なわれると指摘する。デジタル技術が競争上の優位性に欠かせない時代に、創造性を低下させる選択は避けるべきだと警告する。
第4回はRiverbedの調査結果を基に、ITインフラの可視化についての現状を紹介する。
Computer Weekly発 世界に学ぶIT導入・活用術
米国TechTargetが運営する英国Computer Weeklyの豊富な記事の中から、海外企業のIT製品導入事例や業種別のIT活用トレンドを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Computer Weekly発 世界に学ぶIT導入・活用術
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社うるる] 「入札市場」攻略ガイド:効率的に落札するためのポイントを徹底解説 -
製品資料
[株式会社うるる] 入札情報に特化した「販路拡大」「効率化」のためのサポートツールとは? -
市場調査・トレンド
[株式会社うるる] 公共入札に成功する企業と失敗する企業の「5つの違い」 -
製品資料
[日本ビジネスシステムズ株式会社] 専門家が教える、Microsoft 365の「テナント統合/分離」を成功に導く秘訣 -
製品資料
[rakumo株式会社] Microsoft 365での情報埋没を防ぐ、社内ナレッジを資産化する情報ポータル活用
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
PHP脆弱性「PHP2Shell」で2260万件に影響 情シスの緊急チェックリスト
-
2
半数がブルーカラー転向を視野に? ベテランエンジニアを追い込む“54歳の壁”
-
3
「Windows」の不要なファイルを安全に消して容量を空ける方法
-
4
「Microsoft 365」が乗っ取られる MFAを破る“本物の画面”の恐怖
-
5
なぜ「Gemini 4 Argon」は出遅れたのか? Googleが狙う“逆転のシナリオ”
-
6
「テザリング依存」に潜む落とし穴 “遅いVPN”を解消するネット構築術
-
7
Claude利用8割のGMO、AI人材の評価軸が「トークン管理」に変わった
-
8
損保ジャパンはなぜ「COBOL」を捨てなかったのか? 脱メインフレームの真相
-
9
「Wi-Fi 7」経由でWindowsが乗っ取られる? 最高権限奪取の恐怖
-
10
「IT運用・情報システム業務」に関するアンケート
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
AI駆動攻撃にどう対抗する? 超速の攻撃からエンドポイントを保護する方法
-
2
2026年のサイバーセキュリティには何が必要か? 最新データに学ぶ傾向と対策
-
3
経験豊富な即戦力人材に直接アプローチできる、「攻めの採用」への転換術
-
4
「IT史に名を残すシステム障害」8選
-
5
最速72分でデータが流出? 最新の脅威トレンドや侵入手法から分かった防衛策
-
6
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
7
AI駆動開発のスピードと安全性を両立 「品質・セキュリティ管理」の実践ガイド
-
8
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
-
9
「標的型攻撃メール」事例・サンプル集
-
10
Microsoft 365のメールセキュリティ、3つの“死角”と追加で検討すべき対策とは
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー