無線LANはアクセスポイントの設置の仕方や、ネットワーク設計によってパフォーマンスやセキュリティに違いが生じる。より良い無線LANの利用体験を生み出すには、何を変えればいいのか。
Wi-Fi準拠の無線LANは、ほとんどの企業にとって欠かせない通信手段になった。企業は無線LANによる通信をいかに安定させるかを、常に考えておかなければならない。
エンドユーザーは無線LANを自宅でも外出先でも使い慣れており、社内で何か通信に関するトラブルを経験すると、無線LANの設計や運用に何らかの問題があることを鋭く察知する。通信が安定していれば、エンドユーザーが無線LANについて何かを考えることはない。
無線LANは、エンドユーザーにとっては「常に安定している」のが前提だ。Webページが読み込めない、インターネットの接続が切断するといった問題で、エンドユーザーをいら立たせてはいけない。
「良い無線LAN体験」と「悪い無線LAN体験」の違いはどこにあるのか。無線LANの運用を少しでも最善に近づけるための、8つの方法を紹介する。
無線LANアクセスポイント(AP)を設置する場所が広範にわたる、無線LANを運用するためのさまざまな通信技術を使うといった、大規模かつ複雑な運用環境になる場合は、注意が必要だ。こうした運用環境で、優れた無線LAN体験を実現するのは容易ではない。
本来は、無線LANの最高のパフォーマンス(接続の安定性や通信速度)を引き出すためにAPの設置場所を検討するのが理想だ。だが大規模かつ複雑な運用環境になると、IT部門は単に運用が楽な場所にAPを設置する傾向にある。こうした場合は、エンドユーザーが無線LANに失望する可能性が高まる。
無線LANを適切に設計するには、訓練を受けた専門家のスキルが必要になる。まずは無線LANの運用目標を定め、それを満たす設計を検討する。そのためには、調査用のソフトウェアを使ったり、電波利用のシミュレーションを実施したりする必要がある。こうした準備の工程のどこかを省略すると、エンドユーザーが無線LANにストレスを感じる結果を招く可能性がある。
APの配置を検討する際、専門家は最適な設計を決めるために幾つかの点を考慮する。例えば以下の点だ。
無線LAN改善ポイントの3つ目と4つ目を紹介する第2回は、無線LANの利用目的や、利用場所の物理的な環境の観点からベストプラクティスを考える。
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