IaaSを始めとするクラウドサービス市場は好調を継続している。そうした中で、今後のクラウドサービス市場を左右する“ある動き”が浮上している。どのような影響があるのか。
調査会社Gartnerによると、世界のIaaS(Infrastructure as a Service)市場規模は2022年に約1203億ドルに達した。前年の約928億ドルから29.7%拡大し、1000億ドルの壁を突破する結果となった。Gartnerは、今後は“ある動き”がIaaSを始めとするクラウドサービス市場を左右すると予測する。どういうことなのか。
Gartnerでバイスプレジデントアナリストを務めるシド・ナグ氏は、「IaaSの需要は、SaaS(Software as a Service)やPaaS(Platform as a Service)といった他のクラウドサービスの成長を後押ししている」と説明する。IaaSのユーザー企業は、SaaSやPaaSといったクラウドサービスを追加し、既存アプリケーションのモダナイゼーション(最新化)を加速する傾向があるためだ。
ナグ氏はIaaSを含むクラウドサービス市場の今後について、ある動きを注目点として挙げる。テキストや画像などを自動生成するAI技術「ジェネレーティブAI」(生成AI)の台頭だ。AI(人工知能)ベンダーOpenAIのAIチャットbot 「ChatGPT」をはじめとする、生成AIツールの人気がIaaS市場の成長に貢献すると同氏は予測する。
ハイパースケーラー(大規模データセンターを運営するクラウドベンダー)は、既存の生成AIツールよりも機能を充実させたツールを提供しようとしている。それと同時に、生成AIツールを利用するユーザー企業の動きが広がり、AI技術の主権や倫理、プライバシー、サステナビリティ(持続可能性)に関連する新たな市場やビジネスチャンスが生まれる。「生成AIが今後のクラウドサービス市場をけん引することは確実だ」とナグ氏は話す。
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