ZoomはMicrosoft製品の「共存ツール」かむしろ「代替ツール」か?脱コラボレーションツール化するZoom【第5回】

コラボレーションツール「Zoom」は、“単なる会議ツール”から脱却しようとしている。Zoom Video Communicationsが目指す“今後のZoom”とは、どのようなツールなのか。

2023年09月22日 05時15分 公開
[Cath EverettTechTarget]

 コラボレーションツール「Zoom」を提供するZoom Video Communicationsの目標は、「Zoomがデスクトップになくてはならない存在になること」だ。そのためには、他のコラボレーションツールベンダーとの間で差別化を図る必要がある。特に同社が競合として意識するのはMicrosoftだ。具体的にはどのような取り組みを進めるのか。

次世代のZoomは「Microsoft製品」の共存ツールか、代替ツールか?

 Zoom Video Communicationsがターゲットとするのは、例えば以下3つの企業像だ。

  • Microsoftの製品・サービスを利用していない企業、または利用したくない企業
  • Microsoftの製品・サービスに依存していない企業
  • Microsoftの製品・サービスが使えない場合の選択肢として、Zoomが役立つと考える企業

 Zoom Video CommunicationsでEMEA(欧州、中東、アフリカ)地域の責任者を務めるフレデリック・マリス氏は、Microsoftと同社との関係について「丁寧にバランスを取る必要がある」と指摘し、Microsoftを「恐るべき競争相手だ」と述べる。マリス氏は、Zoom Video CommunicationsとMicrosoftが競合する分野が存在し、その分野でMicrosoftのユーザー企業を奪うことは簡単ではないとみる。一方で、コラボレーションツールベンダー各社はさまざまな製品開発に取り組んでおり、「競争と共存のバランスを取ることが重要だ」と同氏は話す。

 マリス氏によれば、以下はZoom Video Communicationsが今後重点を置く製品・サービスだ。

  • コンタクトセンターのクラウドサービス「CCaaS」(Contact Center as a Service)である「Zoom Contact Center」
  • ジェネレーティブAI(生成AI)を用いた営業支援機能を持つ「Zoom IQ for Sales」

 「ユーザー企業がZoom Video Communicationsをどのようなベンダーだと認識しているのか」は、同社の今後の課題になるとマリス氏は指摘する。「ユーザー企業の声を聞き、当社ができる支援を丁寧に伝えることに注力する必要がある」と同氏は語る。Zoomはチャットやスケジューリング、通話といったさまざまな機能を備えている。「エンドユーザーがどこにいても使える、強力で直感的なツールを提供できる」(同氏)

 Zoom Video Communicationsがベンダーとしてユーザー企業からどのように認識されたいのかと、同社が今後どのような取り組みを進めるかという2点の方向性を、まずは一致させる必要があるとマリス氏は指摘する。同社は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)で、異例とも言える急激な成長を経験した。だがパンデミック終息後の状況は異なる。「全社として『変貌する』ための作業に取り組んでいる」とマリス氏は強調し、「やるべき仕事はまだたくさんある」と語る。

Computer Weekly発 世界に学ぶIT導入・活用術

米国TechTargetが運営する英国Computer Weeklyの豊富な記事の中から、海外企業のIT製品導入事例や業種別のIT活用トレンドを厳選してお届けします。

ITmedia マーケティング新着記事

news079.jpg

狙うは「銀髪経済」 中国でアクティブシニア事業を展開する企業とマイクロアドが合弁会社を設立
マイクロアドは中国の上海東犁と合弁会社を設立。中国ビジネスの拡大を狙う日本企業のプ...

news068.jpg

社会人1年目と2年目の意識調査2024 「出世したいと思わない」社会人1年生は44%、2年生は53%
ソニー生命保険が毎年実施している「社会人1年目と2年目の意識調査」の2024年版の結果です。

news202.jpg

KARTEに欲しい機能をAIの支援の下で開発 プレイドが「KARTE Craft」の一般提供を開始
サーバレスでKARTEに欲しい機能を、AIの支援の下で開発できる。