AWS、Azure、GCPの「クラウドコスト」を抑制する“定番の方法”とは クラウドが高い原因はリソースの無駄?【後編】

AWSとAzure、GCPという3大クラウドサービス群では、コストを可視化して削減するためのツールの利用が可能だ。ツールの活用によってコストの可視化や、コスト抑制の計画を立てることができる。

2023年11月14日 05時00分 公開
[Will KellyTechTarget]

 クラウドサービスのコストを削減するには、無駄なプロビジョニング(利用可能な状態にすること)を見つけ出し、管理する必要がある。「Amazon Web Services」(AWS)や「Microsoft Azure」(Azure)、「Google Cloud Platform」(GCP)といったクラウドサービス群には、アプリケーションが使用するリソースのライフサイクルを管理する機能がある。その特徴を紹介しよう。

3大クラウドのコスト管理ツール、何ができる?

 クラウドサービスの無駄なプロビジョニングを探し出し、管理するにはリソースおよびコストを監視するツールが欠かせない。AWSとAzure、GCPが提供する基本的な管理ツールは以下の通りだ。

  • AWS Cost Explorer
  • Microsoft Cost Management
  • Google Cloud Billing

 これらのツールは基本的な機能として、サービスやリージョン(データセンターの地域)、管理のために独自に付与するタグといった単位でリソースの使用量とコストを、グラフ形式で可視化してくれる。

 将来のリソース使用量とコストを予測し、コスト削減の提案もしてくれる。例えばAWSにはリザーブドインスタンス(RI)がある。事前に一定期間の使用を確約することで、オンデマンドでインスタンスを購入するより安価に利用できる仕組みだ。AWS Cost Exploreは現状のリソース使用状況から、RIの推奨数を提案してくれる。

 これらのコスト管理ツールでは、API(アプリケーションプログラミングインタフェース)による連携またはCSV形式のエクスポートによってコストに関するデータを入手できるため、他のデータ分析ツールやBI(ビジネスインテリジェンス)ツールでデータを利用することが可能だ。

 他にもコスト管理ツールには、一定の利用料金を超えたら通知する機能や、リソース購入時の承認ルールを設定する機能がある。コスト管理ツールを使えば、無駄なリソース購入の予防に役立つだろう。

TechTarget発 世界のインサイト&ベストプラクティス

米国TechTargetの豊富な記事の中から、さまざまな業種や職種に関する動向やビジネスノウハウなどを厳選してお届けします。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

隴�スー騾ケツ€郢晏ク厥。郢ァ�、郢晏現�ス郢晢スシ郢昜サ」�ス

事例 株式会社BeeX

AWS開発未経験でも成功、ロッテが実現したデータ連携基盤構築と内製化強化事例

ロッテはシステムのAWS移行を進める中、DX推進の鍵は内製化比率の向上にあると考え、内製化の強化に踏み切った。本資料では、内製化の実現に向け、支援を受けながら、初めて取り組んだAWS開発と人材育成を成功させた事例を紹介する。

製品資料 株式会社ラクーンフィナンシャル

与信審査から督促まで代行、請求書払いの問題を解消する決済代行サービスの実力

B2B取引の決済手段として多くの企業が採用している請求書払い(後払い)だが、入金遅延や未払いが発生するリスクもある。そこで、これらのリスクと業務負担を解消する決済代行サービスが登場した。本資料で詳しく紹介する。

事例 株式会社ラクーンフィナンシャル

クレカ払いだけでは顧客を取りこぼす? Chatworkなどに学ぶ決済手段改善の方法

SaaSの決済手段ではクレジットカード払いを設定するのが一般的だが、B2B取引においてはそれだけだと新規顧客を取りこぼすこともある。Chatworkやココナラなどの事例を交え、決済手段を多様化する重要性と、その実践方法を解説する。

製品資料 日本ヒューレット・パッカード合同会社

複雑化するIT管理をどう効率化する? 分散環境で堅固なリモート管理を行う方法

ハイブリッドクラウドやエッジコンピューティングの普及に伴い、企業が管理すべきIT資源が急増している。こうした中で注目を集めるのが、あるクラウドサービスだ。分散環境における課題とその解決策について、導入事例とともに解説する。

製品資料 日本ヒューレット・パッカード合同会社

運用負荷やコストが増大、複数世代にわたるIT環境のモダン化をどう進める?

AI活用やデータドリブン経営が加速する一方で、レガシーインフラが問題になるケースが増えている。特に複数の世代にわたってIT資産が混在しているインフラ環境では、運用負荷やコストが増大してしまう。この問題をどう解消すればよいのか。

From Informa TechTarget

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。

ITmedia マーケティング新着記事

news017.png

「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。

news027.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。

news023.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...