NIVIDIAがWindows向けのArmプロセッサを製造する場合、「x86」のプロセッサやPC購入者の判断に、無視できない影響を与える可能性がある。Mac向けのOS「macOS」の状況を含めて解説する。
MicrosoftのOS「Windows」シリーズを搭載する端末では、プロセッサとしてはこれまでのところIntelのCPU(中央処理装置)が広く使われている。GPU(グラフィックス処理装置)ベンダーのNIVIDIAが本当にWindows向けのArmプロセッサ(Armアーキテクチャを採用したCPU)を提供する場合、従来それほど意識することのなかったCPUの違いが浮き彫りになってくる可能性がある。
ArmプロセッサがIntelの事業に致命的な打撃を与える、あるいは「x86」のプロセッサを消滅させる、という究極的な考え方をする人がいる。まずこの点について、その考え方は「極端過ぎる」と言っておこう。もしそう信じる人がいるなら、NVIDIAがWindows向けArmプロセッサを製造するというニュースに過剰反応していると言わざるを得ない。
既にAppleは、同社のクライアントデバイス向けOS「macOS」で32bit版のアプリケーションをサポートするのをやめ、64bitに移行している。だがこうした方針転換が、全ての場合にうまく進むとは限らない。調査会社Gartnerのアナリスト、アラン・プリーストリー氏は「32bit版のソフトウェアを利用している企業は珍しくないし、16bit版のソフトウェアを使っている企業さえある」と語る。
Armアーキテクチャによる64bitのCPUで全てを機能させるには、さまざまな課題に向き合う必要がある。Appleが32bit版アプリケーションのサポートを終わらせることができるのは、MacOSの世界がある程度は“閉じられている”からだ。より“開かれた”世界であるWindowsの場合、そう簡単にはいかない。「Windows端末を扱うベンダーは、レガシーアプリケーションのサポートに最善を尽くすことを強いられている」と同氏は述べる。
企業の製品選定担当者は、Arm版とx86版のどちらのWindows端末を発注するかについて、可用性やソフトウェアの互換性、コストなどを加味して比較検討する必要がある。ただしArmとx86のどちらのバージョンを発注しても、エンドユーザーがPCの動作速度やバッテリーの持続時間といったパフォーマンスの違いに気付くことはないと考えられる。
Armプロセッサ搭載のPCと、x86系プロセッサ搭載のPCについてそれぞれの価値を把握するために、プリーストリー氏はさまざまな関係者と意見を交わしてきたという。同氏は「比較には限界がある」としつつも、「Arm版がx86系に取って代わるとは考えられない」と結論付ける。
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