企業の経営幹部によるソーシャルメディア運用は、企業に良い影響も、マイナスの影響も与える可能性がある。著名な企業トップはソーシャルメディアで何を、なぜ発言しているのか。参考になる例を紹介する。
企業のソーシャルメディア活用が広がる中で、企業の経営幹部が企業の顔として情報を発信する例が見られるようになった。ソーシャルメディアでの発信内容は、自社にプラスの影響を与える場合もあれば、悪影響を及ぼす恐れもある。ソーシャルメディアにたびたび登場する企業トップの発言を、お手本として紹介する。
米国の新興企業向け株式市場を運営するNasdaqの会長兼CEOを務めるフリードマン氏が使うのが、ビジネス向けSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)「LinkedIn」だ。Nasdaqのリーダーとして発信する投稿は市場のトレンドや経済見通しの重要な情報源となっており、50万人以上のフォロワーを抱える。Linkedinが専門性の高い情報を発信し、影響力を持つアカウントとして認証する「トップボイス」に選ばれている。
先週、Financial Times Liveの「#FTGlobalBoardroom」カンファレンスで『Financial Times』の米国市場担当編集者を務めるジェニファー・ヒューズ氏との基調対談に登壇する機会をいただいた。この対談では、Nasdaqがお客さまのサポートや課題解決にどのように取り組んできたか、信頼できる金融基盤となるというビジョンをどのように推進するかについてお話しした。
株式の取引所として、株式市場の運営会社としてのNasdaqの経営基盤に、テクノロジー先進企業としてのDNAと顧客中心のアプローチを合わせることで、Nasdaqの戦略や優先事項、資本配分の取り組みを進化させてきた。Nasdaqは現在、世界をリードするプラットフォームを提供し、グローバルな金融システムにおける流動性、透明性、信頼性を向上させる技術プロバイダーの役割を果たしている。ジェニファーとの対談では、これまでのNasdaqの取り組みや今後の展望について話した。NasdaqによるAdenza買収の影響がクライアントへの包括的なサービス提供に与える影響やNASDAQや金融システムにおけるAI(人工知能)技術の可能性、2024年の新規株式公開(IPO:Initial Public Offering)に関する初期見通しなどだ。
このような素晴らしい機会を提供してくださったFinancial Timesと対談相手を務めてくださったジェニファー・ヒューズ氏に感謝する。
出典:フリードマン氏のLinkedinへの投稿から引用
マクミロン氏は、店舗視察についての詳しい報告を交えながら従業員に感謝の気持ちを伝える投稿を発信している。メッセージや従業員と写るマクミロン氏の画像は、従業員への共感を示すものになっている。
2007年以来毎年復員軍人の日になると、Walmartのドライバー部門のメンバーは退役軍人の方々に食事を振る舞うことで感謝の気持ちを示してきた。2023年は米ルイジアナ州モンロー近郊にあるWalmart10店舗とSam’s Club1店舗の協力の下、全てを投げ打って戦ってくれた退役軍人への恩返しとして、退役軍人のお宅でナマズのディナーを振る舞い、感謝の意を示した。
Walmartを代表して素晴らしい料理を提供してくれたドライバー部門のメンバーに感謝する。同様の活動を実施している他の従業員にもこの場を借りてお礼を言わせてほしい。皆さん、どうもありがとう!
出典:マクミリオン氏のLinkedinへの投稿を翻訳
アルトマン氏も、ソーシャルメディアを通じて従業員に感謝の気持ちを伝える経営幹部の一人だ。公の場に積極的に登場し、自社製品がユーザーにもたらすメリットについても話している。個人的な内容を投稿することでOpenAIの企業アカウントとの差別化を図っているのが、同氏のソーシャルメディア活用の特徴だ。
いろいろあったけれどBlink-182は今でも絶好調だ
出典:アルトマン氏のXへの投稿を翻訳
次回はTikTokのCEOチュウ・ショウ氏など企業トップの発言を引き続き紹介する。
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