クラウドサービスが企業のITインフラとして定着しつつある一方で、オンプレミスインフラが再び注目を集めている。企業のインフラ戦略は、どのように変化しているのか。
クラウドサービスの登場により、企業がITインフラやデジタルサービスを導入したり、管理したりする方法は大きく変化した。これは企業に大きな利益をもたらした。その半面、皮肉にも企業はオンプレミスシステムの役割や価値をより一層認識することになった。
米TechTargetの調査部門Enterprise Strategy Group(ESG)は、IT部門の意思決定者への聞き取りを通じて、クラウドサービスとオンプレミスインフラの現状を分析した。その結果から判明したのは、オンプレミスシステム復活の兆しだ。その実態とは。
ESGの分析によれば、企業はデータセンターのモダナイゼーションの戦略的価値を明確に認識し、競争上の優位をもたらすことに同意している。自社だけが持つデータや価値の高いデータを、自社のデータセンターで管理したいと考えるIT部門の意思決定者も一定数いたという。
企業はインフラをクラウドサービスとして利用できるIaaS(Infrastructure as a Service)やPaaS(Platform as a Service)を積極的に利用していることも分かった。中でも特にクラウドストレージサービスは企業システムで重要な役割を果たし、他分野のクラウドサービスと共に進化を続けて、企業のニーズに沿った多様な機能を提供している。
そうした中で、クラウドサービスがオンプレミスインフラよりも優れた体験を提供するかどうかという点について、IT部門の意思決定者の意見は分かれつつある。調査で明らかになったのは、以下の分野では、オンプレミスインフラがクラウドサービスに最適化されたインフラよりも優れていると考える意思決定者が目立ったことだ。
ESGが2021年に同様の聞き取りを実施した際、調査対象となったIT部門の意思決定者は、これらの分野についてクラウドサービスの方がより優れたエクスペリエンスを提供すると答える傾向にあった。
次回は、2021年以降のストレージ市場に起きた変化を読み解く。
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