Broadcomは買収した企業のSD-WAN用のPoPとセキュリティ用のPoPの統合を進めている。PoPの統合を進めるとどのようなメリットがあるのか。Broadcomの狙いとは。
半導体ベンダーBroadcomは「SD-WAN」(ソフトウェア定義WAN)の「VMware VeloCloud SD-WAN」のPoP(Point of Presence:接続拠点)と、セキュリティサービスを提供する「Symantec PoP」の統合を開始したと発表した。Broadcomは2019年にSymantecのエンタープライズセキュリティ事業を、2023年にVMwareを買収している。BroadcomはこれらのPoPを統合することで何を狙っているのか。
ネットワークベンダーは、ユーザーのクラウドサービスへのアクセスを高速化するために主要なクラウドサービスベンダーのデータセンター付近にPoPを配置していることがある。セキュリティベンダーも、クラウドサービスを提供するためのPoPを設置していることがある。
Broadcomは買収したベンダーのPoPを統合する形になる。PoPの統合により、企業がクラウドサービスやSaaS(Software as a Servive)に接続する際のレイテンシ(遅延)の削減が期待できる。
Broadcomは2024年2月、VMware VeloCloud SD-WANと「Symantec Security Service Edge」の機能を統合した「VMware VeloCloud SASE, secured by Symantec」(以下、Symantec SSE)の提供開始を発表している。これはネットワークとセキュリティの機能を集約する「SASE」(セキュアアクセスサービスエッジ)を単一ベンダーによるクラウドサービスとして提供するものだ。
Symantec SSEはネットワークよりもセキュリティに重点を置いているようだ。以下のような機能を提供している
SASEや、SASEのセキュリティ機能を集約した「SSE」(セキュリティサービスエッジ)を単一のベンダーで利用したい企業にとって、「BroadcomのSymantec SSEは選択肢の一つになるだろう」とITコンサルティング会社Enterprise Management Associatesのアナリスト、シャマス・マクギリカディ氏は述べる。
だがEnterprise Management Associatesの調査は、ほとんどの企業がSD-WANとSSEについて、さまざまなベンダーの製品から最も良いサービスや製品を選択し、その組み合わせでシステムを構築する「ベストオブブリード」のアプローチを取っていることを示しているという。
ただし、ユーザー企業がいずれは単一ベンダーからSASEを一括で利用することを望むようになるという見方もある。「その見方には同意するが、ユーザー企業はそうした動きをまだ見せていない」(マクギリカディ氏)
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
リモートワークやクラウドサービスが拡大する中、ネットワーク遅延の課題を抱える企業も少なくない。通信遅延は生産性にも影響するだけに契約帯域の見直しも考えられるが、適切な帯域を把握するためにも、帯域利用状況を分析したい。
在宅勤務でSIM通信を利用していたが、クラウドの通信量急増により、帯域が圧迫されWeb会議での音切れが発生したり、コストがかさんだりと、ネットワーク環境の課題を抱えていたシナネンホールディングス。これらの問題を解消した方法とは?
VPN(仮想プライベートネットワーク)は、セキュリティの観点から見ると、もはや「安全なツール」とは言い切れない。VPNが抱えるリスクと、その代替として注目されるリモートアクセス技術について解説する。
インターネットVPNサービスの市場規模は増加傾向にあるが、パフォーマンスやセキュリティなどの課題が顕在化している。VPNの利用状況などのデータを基にこれらの課題を考察し、次世代インターネットVPNサービスの利点と可能性を探る。
代表的なセキュリティツールとして活用されてきたファイアウォールとVPNだが、今では、サイバー攻撃の被害を拡大させる要因となってしまった。その4つの理由を解説するとともに、現状のセキュリティ課題を一掃する方法を解説する。
いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。
「マーケティングオートメーション」 国内売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、マーケティングオートメーション(MA)ツールの売れ筋TOP10を紹介します。
「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。
「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年4月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。