ファイアウォールはネットワークの守りの要だが、設定ミスによって意図しない通信を遮断したり、不正な侵入を通したりするリスクがある。ファイアウォールのテストがなぜ不可欠なのかを解説する。
ファイアウォールはネットワーク管理者が許可した通信のみを通過させ、不正なアクセスを防ぐ装置だ。防御の要とも言える装置だが、その設定を誤ると、自社のネットワークを自ら閉ざしてしまうという事態になりかねない。ファイアウォールのテストが重要な理由と、ファイアウォールのテスト手法を解説する。
ファイアウォールの設定や運用ルールは日々変化していくものであり、複雑化する。そうしたファイアウォールによるトラブルを避けるために、ファイウォールのテストは重要だ。
ファイアウォールが、正しく機能しているかどうかを検証するプロセスは、ファイアウォールの設定を変更する際に欠かせない。まずはファイアウォールがどのように設定したルールを処理するのかを確認しよう。
ファイアウォールのルールの一覧は複雑になりやすく、ネットワーク管理者は最新の状態を把握する必要がある。次のコマンドでファイアウォールのルールの一覧を確認できる。
ファイアウォールを包括的にテストするためには通常、複数のコマンドやツールを組み合わせる。以下は主なテストの種類だ。
より包括的なテストを実施する場合には、以下のアプローチでファイアウォールの設定を検証できる。
ファイアウォールが正常に動作することを確認したら、次は何をすべきか。
まずは許可するプロトコルをリストアップしよう。許可していないプロトコルは「全て拒否」ルールでブロックする。
許可したはずのプロトコルを利用するトラフィックが通過できない場合、許可するプロトコルのリストと、当該プロトコルを許可するルールより前にブロックするルールが適用されていないことを確認する。ファイアウォールの設定に関する問題の大半は、以下の2点を確認することで対処できる。
テスト結果で特定した問題を解決したら、ファイアウォールの設定をドキュメント化して残す。設定のバックアップを作成することで、万が一の設定ミスや障害発生時に迅速に復元できる。
最後に、ファイアウォールが想定通りに機能しているかどうかを確認するテスト計画を策定する。テストする項目を決定することで、ファイアウォールが必要なトラフィックをブロックするなどのトラブル時の対処に役立つ。
可能であれば、ファイアウォールのテストとトラブルシューティングの手順に、次の内容を取り入れることが望ましい。
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