新技術が続々登場する中、企業は自社ネットワークの運用について、どう考えているのだろうか。現在の最大の課題は何なのか、読者調査を基に、企業ネットワークの実態を探る。
TechTargetジャパンは2012年10月1日から10月14日にかけて、TechTargetジャパン会員を対象にネットワークの構築・運用に関するアンケート調査を実施した。OpenFlowをはじめとする新技術への関心や、ネットワークを運用する上で現在感じている課題などを聞いた。本稿は、アンケート調査から明らかになった企業ネットワークの運用実態の一部を抜粋して紹介する。全ての結果を記載したリポートは、文末のリンクから会員限定でダウンロードできる。
目的:TechTargetジャパン会員の企業におけるネットワークの運用状況および新技術への関心について調査するため
方法:Webによるアンケート
調査対象:TechTargetジャパン会員
調査期間:2012年10月1日〜10月14日
総回答数:283件
※回答の比率(%)は小数点第1位を四捨五入し表示しているため、比率の合計が100%にならない場合があります。
ネットワークを構築・運用する上での課題について聞いたところ、「構築・運用コストが高い」(26.9%)、「IPアドレス管理の手間」(25.8%)、「運用管理や障害監視などの機能が不十分」(25.8%)、「バックアップ体制が不十分」(24.4%)、「帯域幅の不足」(23,7%)が上位を占めた。「通信の遅延」も20.8%の回答を獲得しており、帯域幅の不足と合わせればネットワークパフォーマンス管理の課題と捉えることができる。また、「その他」の自由回答では管理者不足、構築運用担当要員のスキル不足を指摘したものが目立った。上記の「運用管理や障害監視などの機能が不十分」を「運用管理や障害監視が十分にできていない」と読み替え、さらに「IPアドレス管理の手間」も含めれば、ネットワークの管理体制に不安を感じていることがうかがえる。
機能比較やコスト比較をしたいと考えるネットワーク製品・技術を聞いたところ、「ネットワーク管理・監視製品」(33.7%)が最多の回答となった。これも前項の運用体制への不安を裏付けていると考えられる。これに続いて「無線LANアクセスポイント」(28.6%)、「インターネットVPN」(24.7%)が多くの回答を集めた。
一方、導入済みのネットワーク管理製品・技術に関する回答からは、約半数(48.8%)が何らかの管理製品を導入済みであることが分かる。また、導入していない回答者の約4割に相当する19.8%は、「導入していないが検討中」と答えており、管理製品についての関心が低くはないことを示している。導入済みの管理製品をジャンル別にみると「トラフィック監視」(33.2%)および「障害管理」(31.8%)が、「構成管理」(17.0%)を大きく引き離している。
OpenFlow、VXLANなどのネットワーク仮想化、イーサネットファブリック、40ギガビット/100ギガビットイーサネットなどの、ネットワーク関連の新技術についても聞いた。これらの新技術の導入率は、当然ながらいずれも1桁台の前半と低い。しかし、導入の検討・予定あるいは関心について聞くと、「40ギガビット/100ギガビットイーサネット」は30.0%、「OpenFlow(ホップバイホップ型)」は29.0%、「OpenFlow(オーバーレイ型)」は24.0%、「イーサネットファブリック」は11.7%と、これらの新技術が注目されていることがあらためて示された。
本稿では紹介しきれなかったさまざまなアンケート結果とともにアンケート回答者の詳細な属性も紹介されている。ぜひ参照されたい。
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