2016年01月07日 08時00分 公開
特集/連載

「iPad Pro」登場の陰で消える製品も、2015年モバイル動向をおさらいする1年で大変動した勢力図

米Microsoftや米Apple、米Googleなど各ベンダー大きな動きがあったスマートモバイル分野。2015年どのような動きがあったのか、5つのニュースを振り返る。

[Colin Steele,TechTarget]
2015年に発売された「iPad Pro」《クリックで拡大》

 スマートフォンやタブレットが人々の仕事のやり方を根本から変えつつある昨今、スマートモバイル分野はニュースに事欠かない。

 2015年の1年間、企業向けスマートモバイル分野にはさまざまな新製品が登場する一方で、姿を消した製品もある。かつて支配的な立場にあったベンダー各社は急速な変化の対応に苦慮し、整理統合の動きが続いた。

 2015年に米TechTarget読者が最も注目したスマートモバイル関連のニュース5つを紹介する。

「Outlook」と「Office」が全ての主要モバイルOSに対応

 2015年1月、Microsoftはメールおよびグループウェアアプリケーション「Outlook」のiOS版とAndroid版をリリースし、「Office for Android」をプレビュー版から正式版にアップデートした。これにより、Microsoftの全ての主要な業務アプリケーションが、全ての主要なモバイルOSで利用できるようになった。

 だが、モバイルワーカーの喜びは長くは続かなかった。iOS版Outlookである「Outlook for iOS」にEMM製品との連係機能が備わっていないことは企業にとって大きなマイナスポイントだった。2月にセキュリティの深刻な問題点が複数見つかったことを受けて、同アプリケーションの使用を禁止するIT部門が出始めた。

ハードウェア事業の難しさを学んだMicrosoft

 フィンランドのスマートフォンメーカーNokiaの携帯電話事業を72億ドルで買収してから2年もたたない2015年7月、米Microsoftはこの買収資産の大半を損失として計上した。同社は7800人の人員削減と76億ドルの減損処理を実施し、スマートフォンの生産台数を大幅に削減した。

 ただしMicrosoftはその他の分野のハードウェアの生産まで抑制したわけではない。同社が10月にリリースした2-in-1デバイス「Surface Pro 4」と高性能ノートPC「Surface Book」は、AppleのiPad ProやノートPC「MacBook」の競合端末として好評を博した。

Googleの「Android for Work」は「Samsung KNOX」を搭載せず

 米Googleは2015年2月に待望のBYOD支援サービス「Android for Work」をリリースした。企業IT部門がAndroid端末のデータのセキュリティを確保できるよう支援するサービスだ。ただしAndroid for Workは、韓国Samsung Electronicsの企業向け端末管理機能「Samsung KNOX」(KNOX)を搭載しなかったことが物議を醸した。

 KNOXは私物端末の業務データを隔離して保護するためのコンテナ技術だ。Googleは当初、このKNOXの機能をAndroid for Workに採用する方針を示していた。だが、実際にリリースされたAndroid for Workは、Googleがデュアルペルソナ(※)ベンダーの米Divideを買収して獲得した技術とその他のプロプライエタリな技術に依存している。

※1台の端末に2つの独立したユーザー環境があること。

Appleが法人市場に本腰

 米Appleは2015年、法人市場への取り組みを本格化させ、企業ユーザーの支持獲得に注力した。コンシューマー向け製品で大成功を収めてきたAppleがついに、長らく臆測されていた新型iPad「iPad Pro」をリリースした。iPad Proは同社の人気タブレットの大型モデルであり、外部キーボードを接続して使用できる。またiPad Proは最新iOS「iOS 9」の新機能により、マルチタスクなど、よりPCライクな操作をサポートする。

 米Boxが9月に開催したカンファレンス「BoxWorks」において、Appleのティム・クックCEOはエンタープライズ分野の売上高が年間で250億ドルに達したと発表した。この数字には、BYOD(私物端末の業務利用)によるものは含まれないという。12月には、米IBMとAppleは両社の提携プログラム「MobileFirst for iOS」を通じてリリースした企業向けアプリケーションが100本に達したことを明らかにしている。

BlackBerry端末が消滅の危機に

 カナダBlackBerryが2015年12月、リリースからまだ1年余りの企業向けコラボレーションサービス「BBM Meetings」の打ち切りを発表したことで、同社のスマートフォン事業をめぐる臆測が市場を駆け巡った。

 BlackBerryが米Cisco Systemsの「WebEx」や米Citrix Systemsの「GoToMeeting」といった競合サービスに太刀打ちできず、BBM Meetingsの打ち切りを決めた。このことを受け、業界観測筋からは「次はBlackBerry端末が撤退を余儀なくされるのでは」との指摘が相次いだ。BlackBerryの最高経営責任者(CEO)であるジョン・チェン氏ですら、同社スマートフォンの売上高が前年同期比31%減となったことを発表した7月の時点で、その可能性を認めていた。

 一方でBlackBerryはエンタープライズモバイル管理(EMM)を主力事業とするベンダーへの転換を図っている。2015年3月にはEMMソリューション「BlackBerry Enterprise Service(BES)12」のクラウド版をリリースし、9月にはEMM分野の競合である米Good Technologyの買収を発表している。

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