事例:Home DepotのIT研修【前編】
リフォーム大手が編み出した、IT人材不足解消の秘策「OrangeMethod」とは?
Home Depotは従業員のITレベルを引き上げるために、研修プログラム「OrangeMethod」を立ち上げた。この教育制度のユニークな点は、在籍中の従業員だけでなく新入社員でも初日から受講できることだ。
大手住宅リフォームチェーンのHome Depotは、IT担当者の採用条件を満たす適格な候補者が見つからず、候補者の人数も十分ではなかった。同チェーンは、適切な人材を採用するために幾つかの魅力的なアプローチを試みた。
Home Depotは従来の方法を試し、外部の研修機関と連携して、社内オフィスで1週間のカリキュラムを実施した。その結果「スキルの一時的な向上は達成できたが、さらに前進するには継続的な学習が必要だった」と、同チェーンの技術応用開発およびエンタープライズアーキテクチャのディレクターであるアンソニー・グレゴリオ氏は述べる。
ある程度の成功を収めたアプローチの一つは、集中的なIT研修プログラムを最近修了した人材を採用することだった。Home Depotが使用するソフトウェアの全てを網羅している(とグレゴリオ氏が考えている)、民間企業が実施したIT研修プログラムだ。
そのIT研修プログラムの修了者が、必ずしも十分な資格のある候補者であるとは限らない。IT研修プログラムの講師は、プログラミング、データ分析、その他の関連スキルを教えることはできる。だがソフトウェアと技術を使用する方法を、必ずしもHome Depotが期待する方法で教えているわけではない。グレゴリオ氏によると、IT研修プログラムを社内に持ち込むアイデアを思い付いたのは、同チェーンのCIOであるマット・キャリー氏だったという。
本稿はIT研修プログラムを手掛けるPluralsightの主催イベント「Pluralsight Live 2019」におけるHome Depotの講演内容を基に、同チェーンの事例を紹介する。
Home Depotは、ユニークな目標と報告方法を持つIT研修プログラム「OrangeMethod」を作成した。OrangeMethodは、スキルを必要としている在籍の従業員と新規採用者の両方に、ITトレーニングを提供する。
「小規模の小売とは全く違う教育コース」を提供
OrangeMethodの作成当初の目的は、新入社員が初日から学習手段を手にすることができるようにすることだった。今回のイベントでグレゴリオ氏が聴衆に対して「新入社員として入社した際に、自分が使用できるコンピュータが用意されていなかった経験がある方は」と尋ねると、聴衆の多くの手が上がった。OrangeMethodは現在、従業員の初期教育プロセスの一部であり、必要なツールとリソースをすぐに利用できる体制整備に役立っている。
受講料は無料だ。「必要な費用は会社が負担した」とグレゴリオ氏は言う。OrangeMethodのコースへの参加・不参加により、従業員の給与と役割に違いが生じることはないと同氏は説明する。「小規模の小売業者とは全く異なる教育コースを提供するために、全力を尽くした」(同)
Home DepotはOrangeMethodの作成当初、ソフトウェアエンジニアリングに重点を置いていた。その後、ユーザーエクスペリエンス(UX:ユーザー経験価値)や製品管理のトレーニングなど、他の分野のコースもOrangeMethodに追加していった。
現在、OrangeMethodには40人のフルタイムの契約社員が携わっている。コースに参加する従業員と新規採用者の訓練が、彼らの仕事だ。Home Depotは、本拠地がある米国ジョージア州アトランタでOrangeMethodを立ち上げた後、米国テキサス州オースティンに2番目のOrangeMethodセンターを開設した。
後編は、Home DepotのIT研修プログラムにおける、具体的な運用状況や成果を紹介する。
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事例:Home DepotのIT研修
IT部門の人材不足が叫ばれて久しい。適切な人材を確保するためのアプローチとして、Home Depotは社内のIT従業員に向けたトレーニングに力を入れている。同社の事例から成功の秘策を探る。
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