「RPA」から「IPA」へ【後編】
「学習」するロボットは業務の自動化にどう役立つのか
RPAを高度化した技術である「インテリジェントプロセスオートメーション」(IPA)は、ソフトウェアロボットに「学習」させることができる点が特徴だ。学習によって何が可能になるのか。IPAの利用例を基に説明する。
業務を自動化するための方法として、「ロボティックプロセスオートメーション」(RPA)だけでなく、「インテリジェントプロセスオートメーション」(IPA)が選択肢になりつつある。機械学習といった人工知能(AI)技術をRPAに組み込んだIPAは、複雑な業務の自動化を可能にする。
前編の「RPAと『インテリジェントプロセスオートメーション』(IPA)の違いとは?」と中編の「RPAをまずは導入すべし 次世代RPA『IPA』の失敗しない入れ方」に引き続き、RPAとIPAの違いを、ソフトウェアロボットの「学習」の観点から掘り下げる。
医療分野の支払い管理自動化サービスを提供するRecondo Technologyの最高情報責任者(CIO)エルドン・リチャーズ氏は、RPAとIPAの大きな違いの一つとして、IPAは業務を処理する過程で学習できることを挙げる。この学習能力は、非定型の業務で効果を発揮する。
RPAではソフトウェアロボットを作成するときに、想定する処理のパターンをあらかじめ全て設定しておく必要がある。例外は人が処理しなければならない。IPAのソフトウェアロボットは、今までに入力されたデータや実行した処理から、変化する業務内容を自動的に学習する。そのため個々の状況に応じたプロセスで業務を処理できる。
学習というIPAの特徴によって、RPAだと労力がかかり過ぎるプロセスも自動化できるようになる。予期しない状況が発生するケースの場合、RPAではそれぞれのケースを処理するためのルールを定義しなければならない。例えば入力するデータが欠落していたり、不正確なデータが多かったりするケースや、逆に入力するデータの量が極端に多いといったケースだ。人が例外的なプロセスを実行する方法から学習させることができれば、IPAは効果を発揮する。
IPAで高度な判断を実現するには
高度な判断能力が必要な場合にもIPAが役立つ。例えばRPAの場合、メールの送信者や件名のキーワード、添付ファイルの有無などに基づいてルールを設定することで、メールを分類する。IPAなら、エンドユーザーがどのようなメールを迷惑メールフォルダに移し、どのようなメールにすぐ返信するかを学習させることが可能だ。
融資自動化サービスを提供するAI Foundry(Kodak Alarisの事業部門)で製品管理ディレクターを務めるアービンド・ジャガンナス氏はIPAについて「ソフトウェアロボットが定型タスクだけでなく、判断を必要とする、より価値の高いタスクに適用できるようになった」と話す。
IPAの開発者がエンドユーザーと連携して、導入後も継続的な学習に使用できるデータセットを提供することは、IPAの判断性能の向上につながる。例えば融資の自動化サービスであれば「銀行の融資担当者が今まで承認した融資」と「却下した融資」のデータから、短期的な観点で融資判断をする方法を学習することができる。さらに「担当者の承認後に債務不履行になった融資」についてのデータを学習することで、自動化サービスの融資判断に長期的な観点を加えて、判断の精度を強化することも可能だ。「データが多いほど、IPAの判断の正確性と信頼性が高まる」とジャガンナス氏は語る。
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「RPA」から「IPA」へ
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