クラウド管理者に求められる基本スキルはさまざまだ。その中から「仮想化」「コンテナ」「データ管理」「コスト管理」に関するスキルを説明する。
クラウドサービスで稼働するワークロード(アプリケーション)を管理するクラウド管理者の仕事内容は、企業によって異なる。クラウドインフラのアーキテクチャ設計やクラウドサービス活用戦略の立案を担当することもあれば、コーディングをすることもある。ただしクラウド管理者として成功するために必要な基本的なスキルと知識は共通している。前編「クラウド管理者に『Linux』『Windows』のスキルが必要な理由」に引き続き、クラウド管理者に必要なスキルと知識を説明する。
クラウドサービスのワークロード(アプリケーション)は仮想マシン(VM)でホストすることがしばしばある。そのためクラウド管理者は、仮想化の仕組みを理解し、Microsoftの「Hyper-V」やVMwareの「ESXi」、オープンソースの「KVM」など主要なハイパーバイザーの特徴を知っておく必要がある。
ハイパーバイザーを一からコーディングする能力が必要だというわけではない。ハイパーバイザーがどのような仕組みで、コンテナとどう違い、ワークロードをVMで実行する場合とベアメタルサーバ(物理サーバ)で実行する場合で処理速度などのパフォーマンスがどう変わるのかも確認しておいた方がよい。
クラウドサービスで「Docker」や「Kubernetes」などのコンテナ管理ツールの利用を検討する場合、コンテナの利用が適しているワークロードと、そうでないワークロードを知っておく必要がある。オンプレミスのインフラで稼働させるKubernetesと、「Amazon Elastic Kubernetes Service」(Amazon EKS)や「Azure Kubernetes Service」(AWS)などのマネージドKubernetesサービスはどこが違うのか理解しておいた方がよい。コンテナランタイム(コンテナを実行、管理するソフトウェア)の選択方法に加えて、クラウドサービス内で稼働するコンテナのデータを永続的に保存する方法も把握しておく。
企業はクラウドサービスを利用する場合、クラウドサービスでホストするデータを管理する必要がある。そのためクラウド管理者には基本的なデータ管理スキルも必要だ。データベースとは何か、リレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)とNoSQLはどう違うかといった基礎知識が必要だ。クラウドストレージで使用するオブジェクトストレージとブロックストレージの違いも知っておく必要がある。データバックアップの基礎知識と、クラウドサービスを活用したバックアップ方法も理解しておく。
クラウド管理者の重要な役割の一つに、クラウドサービスのコスト管理がある。コストの節約を目的としてクラウドサービスを導入する企業は少なくない。その目的を達成するのもクラウド管理者の重要な仕事だ。
コストを把握するには、クラウドサービスの料金体系をよく理解する必要がある。クラウドサービス外へのデータ転送(エグレス)とAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)リクエストの意味、それらとクラウドサービスの課金との関係を知っておくと、コスト管理がしやすくなる。
クラウドサービスで利用可能なVMの種類の違いも理解しておく。VMの適切なストレージ/メモリ容量や処理性能を選択することができれば、利用料金を抑えることができる。
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