クラウドサービス関連の業務に携わるエンジニアが大学でコンピュータサイエンスの学位の取得を目指しても、自身に必要なスキルを得られない恐れがある。その理由とは。
第4回「エンジニアがあえて大学で学びたくなる「学位取得」だけではないメリット」に続く本稿は、コンピュータサイエンスの学位取得を目指す際の注意点を説明する。コンピュータサイエンスの学位を取得するには、かなりの学費と時間がかかる。しかもエンジニアとして就業するために、さらに時間とお金をかけてベンダーが提供する認定資格の取得を目指す卒業生もいる。
「就職活動のときに、学位を取得しているかどうかは書類選考で重要な評価ポイントの一つになる。ただし注意が必要なのは、コンピュータサイエンスの分野では技術が急速に進化することだ」。ITサポートを手掛けるGuardian Computerに勤務するチャールズ・アンドルーズ氏はこう語る。これは大学の4年間の課程を修了するだけでは、新しい技術を使いこなすことは難しいことを意味する。
大学の課程は認定プロセスが厳密なため、カリキュラムを頻繁に変更できない制約がある。IT業界で使われている技術は、大学のカリキュラムよりも速いスピードで進化する。クラウドコンピューティングは特にその傾向がある。
「コンピュータサイエンスの学位課程はクラウドコンピューティングの概念に触れるだけで、最新動向を学ぶことができない可能性がある」と、Linuxの管理団体Linux Foundationのシニアバイスプレジデントであり、トレーニングおよび認定資格担当ゼネラルマネジャーを兼務するクラウド・シーパーサッド氏は指摘する。「コンピュータサイエンスの学位取得者がクラウドコンピューティングの仕事をするには、学外で自主的に学ばなければならない」(シーパーサッド氏)
「Amazon Web Services」(AWS)や「Microsoft Azure」「Google Cloud Platform」といったクラウドサービスの導入を急速に進める企業は、クラウドアーキテクトやDevOps(開発と運用の融合)エンジニアのような新しい職種の人材を求めている。「高等教育のカリキュラムだけではこうした職種で必要なスキルを十分に身に付けられない」と、IT技術者のための求人サイト「HackerRank」の創設者でCEOのビベク・ラビサンカー氏は語る。「『クラウドサービス関連の業務をする上では、大学で学位を取得するだけでは不十分だ』というわけではない。ただし学位の取得はもはや、成功に必要なスキルを獲得する唯一の方法ではなくなった」(ラビサンカー氏)
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