大手クラウドベンダーのAWSとMicrosoftは、それぞれ「CloudEndure Disaster Recovery」「Azure Site Recovery」というDRaaSを提供している。これらの保護対象と課金体系、サポート内容を比較する。
「DRaaS」(Disaster Recovery as a Service)は、クラウドベンダーのデータセンターにDR(災害対策)サイトを構築できるクラウドサービスだ。Amazon Web Services(AWS)の「CloudEndure Disaster Recovery」(CloudEndure)やMicrosoftの「Azure Site Recovery」などのDRaaSを利用することで、ユーザー企業はDRに取り組みやすくなる。中編「AWS『CloudEndure』と『Azure Site Recovery』 2大DRaaSの似た機能、違う機能」に続く本稿は、両サービスの保護対象や利用料金、サポート内容を比較する。
CloudEndureは「Windows」「Windows Server」や各種「Linux」ディストリビューションで稼働するアプリケーションを保護対象にできる。アプリケーションのインフラはオンプレミスの物理サーバでも、AWSやAzure、Googleの「Google Cloud Platform」などのクラウドサービスでもよい。
Azure Site RecoveryはAzure内のプライマリーサイトからセカンダリーサイトに、物理マシンとVMをレプリケーション(複製)する。Windows/Windows Serverや各種Linuxディストリビューションを実行している物理マシン/VMを保護対象にできる。管理者はAzureのリージョン(地域データセンター群)間でVMのレプリケーションを実行できる。AWSのVMサービス「Amazon Elastic Compute Cloud」(Amazon EC2)のVMであってもレプリケーションできる。
CloudEndureは1時間の利用ごとに課金する。利用料金は、ソースサーバ(保護対象のサーバ)が単位となる。1つのソースサーバごとに1時間当たり0.028ドルで、以下の利用料金を含む。
DR訓練や災害時に、実際にAWSのリソースをプロビジョニングするタイミングで、そのリソースの利用料金が追加で発生する。CloudEndureの総コストは、「AWS Pricing Calculator」(AWS料金計算ツール)を使って見積もることができる。
MicrosoftのAzure Site Recoveryは、ソースサーバ(同社は「インスタンス」と呼ぶ)の総数に基づいて課金する。ユーザー企業のオンプレミスサイトのインスタンスを保護対象にする場合、1インスタンス当たり月額16米ドル、Azureのインスタンスを保護対象にする場合には1インスタンス当たり月額25米ドルを課金する。料金と利用可能なオプションはリージョンごとに異なるため注意が必要だ。
Azure Site Recoveryは、DRの運用中や訓練中に使用したストレージ容量やストレージトランザクション(読み書きの回数)、Azure外へのデータ転送、コンピューティングリソースに追加料金を請求する。MicrosoftはAzure Site Recoveryを使用する総コストを見積もることができる「Pricing calculator」(料金計算ツール)を用意している。
AWSはCloudEndure向けの無料トレーニングを提供している。ユーザー企業はAWSの「Business」「Enterprise」といったサポート契約を通じて、テクニカルサポートを受けることもできる。
MicrosoftはAzure向けにテクニカルサポートのオプションサービスを数種類提供する。「Basic」「DEVELOPER」「STANDARD」「Professional Direct」の4種類があり、Azure Site Recoveryのサポートを受けることができる。チュートリアルやハウツービデオなど、オンラインドキュメントも提供している。
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