「指定されたポートは使用中です」や「指定したポートは既に開かれています」などのエラーメッセージが表示されることがある。こうした状況を引き起こす要因と、トラブルシューティングのポイントは。
「指定されたポートは使用中です」(The specified port is already in use)や、「指定したポートは既に開かれています」(The specified port is already open)といったエラーメッセージがPC使用中に表示されることがある。こうしたエラーは何を意味するのか。そしてどうすれば解決できるのか。
このエラーは、PCの複数のアプリケーションが共有不可能なネットワークリソースを同時に使おうとするときに発生する。共有不可能なネットワークリソースは、同時に1つのプロセスやリクエストしか管理できない。一例として無線通信用のモデムがある。無線通信用のモデムは同時に1つの接続しか処理できず、1つのアプリケーションがその接続を使用していると、他のアプリケーションは使用できなくなる。
共有不可能なネットワークリソースのもう一つの例が、VPN(仮想プライベートネットワーク)のクライアントソフトウェアが使用するポートだ。VPN接続をする場合、VPNのクライアントソフトウェアがポートを開き、全てのトラフィックを暗号化して企業のデータセンターにあるリモートアクセスVPN用の機器に転送する。VPN接続する際のこのポートを使用するアプリケーションが衝突を引き起こすことがある。
「指定したポートは既に開かれています」というエラーメッセージの原因の一つは、PCが一定時間操作されない場合、自動的にスリープ状態になることだ。通常はPCがスリープ状態になった後に復帰すると、ネットワーク接続が切断している。だがOSは、スリープ状態になってもその共有不可能なネットワークリソースを開放しない。この状態でアプリケーションが再びネットワーク接続を確立しようとした場合に、「指定したポートは既に開かれています」というエラーメッセージが出る。PCを再起動すると、問題のネットワークリソースが開放され、再び接続を確立できるようになる。
ソフトウェアのバグも「指定したポートは既に開かれています」というエラーメッセージを表示させることがある。アプリケーションは動作を停止する際、通常はネットワークリソースを開放しなければならない。だが、ある一定の条件下では状況に適切に応じられず、ネットワークリソースをロックしたままにしてしまう可能性がある。シリアルポートを備えるPCは、シリアルポートのポート番号を変更することでこの問題を回避できる場合がある。
「指定したポートは既に開かれています」のエラーメッセージが表示される主な原因は、上記の2つを含めて4つある。後編は残る2つの原因を紹介する。
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