中国企業がデータセンター投資を加速させている。ByteDanceがデータセンター支出の世界上位10社に仲間入りするなど、その勢いは米国企業を脅かすほどになった。何が起きているのか。
ショート動画共有サービス「TikTok」運営のTikTok社を傘下に持つByteDanceは、データセンター支出に関して世界7位になったことがSynergy Research Groupの調査で分かった。データセンター支出トップ5は、1位から順にAmazon.com、Google、Microsoft、Facebook、Appleと米国勢がひしめく。
Synergy Research Groupは、2021年第2四半期(4月〜6月)のデータセンター支出を分析し、上位10社のランキングを公開した。中国企業としてはByteDanceに加え、クラウドサービス大手のAlibaba Group(6位)とオンライン広告サービスのTencent(8位)が入った。
Synergy Research Groupのチーフアナリスト、ジョン・ディンスデール氏は今回の調査を通じて「中国の企業が相次いでデータセンターを新設・増設し、ITインフラに関して攻勢を掛けていることが明らかになった」と説明する。特にByteDanceは世界各国でTikTokが人気を博していることが原動力となり、「わずか数年で無名企業からデータセンター支出大手にのし上がった」とディンスデール氏は言う。TikTok社は公式サイトで2021年9月、TikTokの月間アクティブユーザーが10億人を超えたことを明らかにした。
大規模データセンターの世界総数は現在、659カ所だとSynergy Research Groupは推計する。2016年と比べ、約2倍以上に増えたという。大規模データセンターの5割以上は米国と中国にある。同社によると、他に大規模データセンターが多い国は日本、ドイツ、英国、オーストラリア、カナダ、アイルランド、インドだ。
ディンスデール氏は今後も大規模データセンターの新設・増設が進むと見込んでいる。「施設そのものを作ることに加え、ハードウェアの定期的な入れ替えもあって、データセンター支出は右肩上がりで推移していく」と同氏は予測する。
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