NTTが日本を含む4カ国で行った調査により、プライベート5Gの現状が浮き彫りになった。多くの企業はプライベート5Gにある機能を期待しているという。背景にはコロナ禍も関係しているようだ。
NTTが、英国、米国、日本、ドイツのCIO(最高情報責任者)と上級意思決定者216人を対象にプライベート5Gの実装と導入に関する課題を調査した。結果、2021年はプライベート5Gの導入が加速していたことが裏付けられた。さらに今後6〜24カ月以内にプライベート5Gの展開を計画している企業が半数以上(51%)に上り、プライベート5Gを導入済みあるいは展開中の企業は30%に達した。
経営幹部の90%はプライベート5Gがネットワークの標準的な選択肢になると予想している。プライベート5G導入に関心が高いのはドイツで、同国を拠点とする企業の40%がプライベート5Gをデプロイしている。2位以下は英国(28%)、日本(26%)、米国(24%)だった。
顕著な結果の一つはセキュリティへの懸念がプライベート5Gの導入を加速させていることだ。ランサムウェアの増加に伴ってCIOやCISO(最高情報セキュリティ責任者)は巧妙化する攻撃の防御を強化する方法を模索している。経営幹部の3分の2以上は、自社インフラのセキュリティ強度が不十分であることに同意している。プライベート5GはWi-Fiやパブリック5Gなどよりも多くのセキュリティ機能を提供する。
セキュリティに関する主な問題点としては、企業データの管理(48%)、受信域と速度(43%)、現サービスプロバイダーの対応時間の遅れ(40%)などが挙げられた。
経営幹部の大多数(80%)はコロナ禍によって5G導入に必要な予算確保が容易になったことに同意している。この傾向はドイツ(93%)が最も高く、米国(83%)、英国(77%)、日本(65%)と続く。
プライベート5Gに期待する重要な成果として、経営幹部の83%がデータのプライバシーとセキュリティの向上を挙げた。CIOはセキュリティと管理の強化と同時にデジタル化の実現も期待しており、こうしたビジネス要件をプライベート5Gが実現すると考えているという。これらがプライベート5Gの構築と運用を後押ししている。
プライベート5Gの課題と成功した導入戦略も特定されている。プライベート5G導入の最も一般的な障壁として挙げられたのは、プライベート5Gとレガシーシステムやレガシーネットワークとの統合だった(44%)。他にもプライベート5G導入と管理に関連する複雑さ(37%)、5Gネットワークを管理する従業員のスキルと専門知識の不足(30%)が挙がった。
これらがプライベート5Gの実装に際して38%のCIOがマネージドサービスプロバイダーへのアウトソーシングを選んでいる理由だとNTTは結論付けている。
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