「接続が遅い」「印刷できない」「VPNに入れない」――。企業ネットワークの利用はさまざまなトラブルが付き物だ。快適に仕事できるようにするためにはどうすればよいのか。ヒントを集めた。
ネットワークは極めて複雑な仕組みだ。それがデータ伝送速度といったネットワークのパフォーマンスの低下につながり、さまざまな問題が発生する恐れがある。従業員はネットワークの速度が遅くなれば、「仕事ができない」と苦情をもらす。企業は従業員が円滑に仕事をこなし、ビジネスへの悪影響を防ぐためにも、ネットワークのトラブルシューティングが重要だ。本稿は、ネットワークのありがちな9つの問題を取り上げ、その解決法を紹介する。
通信速度が低下する原因として、Web会議やオンライン研修動画といった新しいアプリケーションの追加が考えられる。スイッチポートに障害があれば、トラフィックがその障害点を迂回(うかい)して他のスイッチポートに過剰な負荷を掛ける恐れがある。他には、企業の大規模ネットワークに変更が加えられることで、インターネット接続ポイントを通過するトラフィック量が増え、クラウド型アプリケーションの応答速度が低下することもあり得る。
問題の原因は必ずしも「技術」に限らず、「人間」にあるときもある。例えば従業員は、自宅よりもネットワークが高速なオフィスでプライベート用の高解像度動画をダウンロードすることがある。こうした場合の解決方法として、ネットワーク監視ツールの活用が有効だ。
大半の場所で無線LANの電波強度が十分でも、どこか一部で電波強度が低下したり、電波を受け取れなかったりすることがある。オフィスのレイアウト変更によって、以前は十分だった無線LANの電波強度が低下することもあり得る。オフィス家具を設置する際も注意が必要だ。例えばファイルキャビネットのような大きな金属製の物体は、無線LANの電波障害を引き起こす可能性がある。
他にも電子レンジやコードレス電話、Bluetoothデバイスが無線LAN信号に干渉する可能性がある。企業はどこで問題が発生しているのかを特定するために、無線LANのテストツールを使うとよい。
接続に物理的な問題が起きると、ネットワークが突然遮断されることがある。その原因として一般的なのは、ネットワークケーブルが損傷したり、接続点が緩んだりすることだ。ケーブルがスイッチに着脱されたり、1本のケーブルが誤って取り外されたりすることも考えられる。
他には暖房器具や空調器具の設置作業中にケーブルが引っ張られ、器具の鋭利な角でケーブルが損傷することもある。いずれにしても、影響が出ているネットワークセグメントの中の、どのケーブルが損傷しているのかを特定しなければならない。ケーブルが天井に配線されている場合は、問題の特定に時間がかかる恐れがある。
第2回は、「CPUの過度の使用」と「DNS照合速度の低下」を取り上げる。
米国TechTargetの豊富な記事の中から、さまざまな業種や職種に関する動向やビジネスノウハウなどを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
リモートワークやクラウドサービスが拡大する中、ネットワーク遅延の課題を抱える企業も少なくない。通信遅延は生産性にも影響するだけに契約帯域の見直しも考えられるが、適切な帯域を把握するためにも、帯域利用状況を分析したい。
在宅勤務でSIM通信を利用していたが、クラウドの通信量急増により、帯域が圧迫されWeb会議での音切れが発生したり、コストがかさんだりと、ネットワーク環境の課題を抱えていたシナネンホールディングス。これらの問題を解消した方法とは?
VPN(仮想プライベートネットワーク)は、セキュリティの観点から見ると、もはや「安全なツール」とは言い切れない。VPNが抱えるリスクと、その代替として注目されるリモートアクセス技術について解説する。
インターネットVPNサービスの市場規模は増加傾向にあるが、パフォーマンスやセキュリティなどの課題が顕在化している。VPNの利用状況などのデータを基にこれらの課題を考察し、次世代インターネットVPNサービスの利点と可能性を探る。
代表的なセキュリティツールとして活用されてきたファイアウォールとVPNだが、今では、サイバー攻撃の被害を拡大させる要因となってしまった。その4つの理由を解説するとともに、現状のセキュリティ課題を一掃する方法を解説する。
いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。
「マーケティングオートメーション」 国内売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、マーケティングオートメーション(MA)ツールの売れ筋TOP10を紹介します。
「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。
「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年4月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。