企業ネットワークで起きる問題の一つとして、プリンタに接続できず、印刷ができないことがある。そのときはどうすればいいのか。“簡単なこと”も含め、ヒントを集めた。
ネットワークトラブルを解決するためには、まずその原因を知ることが大切だ。第3回「『IPv4』枯渇問題がネットワークトラブルにつながりかねないのはなぜか?」は「静的IPアドレスの重複」と「IPアドレスの枯渇(こかつ)」にスポットを当てた。第4回の本稿は、「プリンタに接続できない問題」と「VLANとVPNの問題」を取り上げる。
プリンタに接続できない場合、プリンタがネットワークにつながっていること、電源が入っていること、用紙があることを最初に確認しよう。OSが「Windows」であれば「デバイスとプリンター」にそのプリンタが表示されていることの確認も必要だ。表示されているのであれば、印刷ファイルがキューに表示されているかどうかを確認するとよい。
他にも印刷スプーラー(印刷準備が整うまで印刷ファイルを保管するソフトウェア)を停止して、プリンタの再起動が必要な場合もある。プリンタのベンダーによっては、問題を診断して解決するためのアプリケーションを用意している。ベンダーのWebサイトを確認してダウンロード可能かどうかをチェックしよう。
Windowsをアップグレードした直後にプリンタ接続の問題が発生した場合は、MicrosoftのWebサイトにアクセスし、同社がその問題を認識しているかどうかを確認する必要がある。プリンタの電源を一回オフにしてから再びオンにするか、システムをシャットダウンしてから再起動することも有効だ。
最後の手段としては、プリンタドライバとOSをアップデートする。マルウェア対策ソフトウェアの一時的なシャットダウンが必要な場合もある。ワイヤレスプリンタの場合は、無線LANの信号が届いているかどうかを確認しなければならない。
仮想LAN(VLAN)構成に間違いがないかどうかを確認する。各スイッチの構成を調べた上で、スイッチ構成の互換性を確認するためにそれぞれの構成を慎重に比較する。
VPN(仮想プライベートネットワーク)でありがちな問題は接続の失敗だ。まず「アカウントが最新かどうか」「ユーザー情報が正しいかどうか」を中心に、VPNサービスに正しくログインしているかどうかをチェックしよう。次にファイアウォールの設定を確認する。VPN接続には、幾つかのポートが開かれている必要がある。ファイアウォールを一時的にシャットダウンし、それが問題になっているかどうかを確認するとよいだろう。最後にシステムを再起動する。
他には無線LANやイーサネット、ルーターをそれぞれ切り替え、さまざまなネットワークからVPNへのアクセスを試みるという手もある。それでも問題が解決しない場合は、ファイアウォールのドキュメントで他の解決策を探すか、VPNベンダーにサポートを依頼する。
総じて言えば、ネットワークが非常に複雑になれば、さまざまな問題が発生しやすい。本連載が取り上げたのは、ネットワークで起きる最も一般的な問題の一部にすぎない。本稿がカバーし切れなかった他の問題が発生した場合は、検索エンジンで解決につながる情報を探すか、ネットワークサービスプロバイダーやデバイスベンダーにサポートを依頼することをお勧めする。
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