オープンソースPaaS製品を利用すれば、ベンダーロックインを避けつつ、クラウドインフラの構築や管理を効率化できる可能性がある。2つのオープンソースPaaS製品「Porter」「Rancher」の特徴を説明する。
PaaS(Platform as a Service)を構築可能なオープンソースソフトウェア(OSS)である「オープンソースPaaS」製品は、アプリケーションが稼働するクラウドインフラの構築や管理を効率化する手段だ。市場には複数のオープンソースPaaS製品があり、それぞれ特徴が異なる。中編「オープンソースPaaS製品『Cloud Foundry』『Dokku』『OKD』の違いとは?」に続く本稿は、主要な6種類のオープンソースPaaS製品のうち、5つ目と6つ目の特徴を説明する。
5つ目のPorter Technologies「Porter」は、コンテナオーケストレーター「Kubernetes」で構築したコンテナのクラスタ「Kubernetesクラスタ」を管理するためのPaaSだ。Salesforce(salesforce.com)のPaaS「Heroku」のユーザー体験を、開発者が選んだIaaS(Infrastructure as a Service)で利用可能にする。Porterはユーザー企業がインフラとして任意のIaaSを選択できるようにするセルフホスティング機能を備える。
Porterは独自の収益化モデルを採用している。IaaSで実行する場合、個人利用は無料で、チームや企業で利用するときの利用料金は月額200ドルから。ユーザー企業はPorterを通して任意のIaaSにKubernetesクラスタを自動的に配備し、Kubernetesクラスタを制御できる。
6つ目はRancher Labsの「Rancher」だ。同社はRancherを「Kubernetes-as-a-service」ツールと呼ぶ。Rancherには、各ベンダーのIaaSやVMwareのサーバ仮想化ソフトウェア「vSphere」などのインフラで、Kubernetesクラスタを構築したり、管理したりするための機能を備える。
本連載が紹介した他のオープンソースPaaS製品と同様、RancherはエンドユーザーやVM、組織を一元管理するための豊富な機能がある。CUIとGUIで制御が可能だ。RancherのCUIはKubernetes公式のCUI「kubectl」のコマンドを実行する。GUIはアプリケーションの実行・管理のための機能と関数を提供する。
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